国内各地を訪ねるという学び
そして高校2年になった悠仁さまは、ひとりで茨城県の農研機構を訪ねてきた。
悠仁さまは研究所の水田を見ながら、「なぜ毎年、保存しているタネを栽培しないといけないのか」「品種の大きな違いは」などと矢野さんに質問をしたという。
農研機構の遺伝資源研究センターには、さまざまな種類の稲を交配させて品種改良するために、およそ3万種類の稲のタネが保存されている。しかし、10年ほどで発芽しなくなってしまうため、毎年500~1000種類ほどを栽培して新しいタネを採取し、保存している。温暖化対策のために日照りや乾燥に強い品種を研究しているセンターの取り組みについても、熱心に聞いていたという。
この4月には、秋篠宮ご夫妻と九州地方を私的に訪ねて焼き畑農業を体験するなど、各地に足を運びながら、学びを得ている様子が伝わる。秋篠宮ご夫妻は、悠仁さまが幼い頃から各地を訪ねて人々と交流し、日本の農耕文化の中心である稲作に触れる機会も設けてきた。
来年には18歳の成年を迎える悠仁さま。「帝王学」は、着実に根を張っているようだ。
(AERA dot.編集部・永井貴子)