「さんま」イメージ脱却が課題!? 

 7月28日からは冠番組「ほいけんたのホップ!ステップ!け~ぶるGiRLS!!」(ケーブル4K)もスタートした。この待遇について、前出の放送作家はこう話す。

「ケーブルテレビの番組ですから、本来なら大して話題にならないところを、今のほいけんたさんだからこそネットニュースになってバズっています。内容は、東海地区で活躍するアナウンサー集団をほいさんがさんま御殿ばりに回す……というもので、失礼ながら既視感ばりばりのB級テイスト満載なノリ。イジられることで人気になったほいさんがMCで回す番組なので、今後の展開への試金石になるのでは。ちなみに、ほいけんたという芸名は、1970年代末に日本でも大人気だった香港映画『Mr.BOO!』シリーズのサミュエル・ホイから取ったそうですが、そこにはコメディー俳優へのこだわりを感じます。最近の快進撃や冠番組が始まるなどほいさん個人の活躍が顕著ですが、そこには『明石家さんまのモノマネだけで終わりたくない』という思いが強くあるのだと思います」

 「週刊SPA!」元副編集長・芸能デスクの田辺健二氏は、ほいの今後をこう分析する。

「現在、明石家さんまさんの再現モノマネといえばほいけんたさんであり、あの微妙に変な関西弁も“唯一無二のニセモノ感”を生んでいますが、逆に言うとさんまさんのイメージから逃れられないのも事実。『鬼レンチャン』では、音程を外さないために歌詞の改ざんをするなど、反則スレスレで突破していくさまが非常に話題となりましたが、あれも『顔はさんまさんなのに、素のほいけんたが必死に挑んでいる』という違和感が爆笑を生み出しています。また、さんまさんのしゃがれた声のイメージがお茶の間に浸透しているからこそ、『実は意外と美声』『デフォルトの声がちょっと郷ひろみ』というギャップも相当面白い。ただ、モノマネ芸人の宿命として、ニセモノが本物のような立ち居振る舞いをすればするほど、視聴者は引いてしまう傾向があります。『27時間テレビ』での大活躍を拝見するにしばらく快進撃は続くと思いますが、これからもさんまさんの見た目を崩さず、バルーンアートやパントマイムなど隠し持った武器を有効活用する時期に来ている気がします」

 芸能生活40周年で迎えた千載一遇のビッグチャンス。快進撃はどこまで続くのか。

(藤原三星)

著者プロフィールを見る
藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

藤原三星の記事一覧はこちら