内田:あらゆる問題がそうなんですけれども、解決を先送りしてだらだらしているうちにメディアが報道しなくなり、国民も関心をなくして、うやむやになる……というパターンで自民党はいくつもの政治危機を乗り切ってきた。統一教会についてもやることは同じだと思います。だらだら先送りしているうちにうやむやになる。

白井:田舎になればなるほど政治の世界は一種の利権共同体です。つまり、与党も野党もない。形式的にはあったとしても、だいたいみんな地元の仲間だから、そんなにひどい喧嘩をするわけにもいかないのです。

内田:地方議会だとイデオロギー的な対立が前面に出ることはあまりないですね。同じ共同体のメンバーですから。

白井:だからそこそこのところで利害調整をしますよね。いわゆる相乗りです。「みんな仲間だよね、敵対していないよね」と確認して、あとはそれなりに調整していく。それが地方政治の基本です。問題は、どんどんリソースが減ってくるなかで、調整していればよいという状況ではなくなってきたことですよね。

内田:地方政治は知事や市長が大きな権限を持っていますから、知事・市長個人の人格見識が、そこで暮らす人たちの生活の質にダイレクトにかかわってくる。僕はここ数年ある県の知事と定期的に会って県政へのアドバイスのようなことをしています。僕と哲学者の鷲田清一さんが二人で知事に提言をするというかたちなんですけれど、知事が僕たちの提言を真剣に検討してくれるチャンネルがあるのはありがたいです。

白井:それは素晴らしいですね。提言がどう政策に反映されるかが見物です。

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長期政権の良し悪し