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連日の酷暑から熱中症になる人が後を絶たない。特に高齢者が救急搬送される割合が高く、室内での熱中症にも警戒が必要だ。AERA 2023年9月11日号より。
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「歴代と比較して圧倒的に高い。夏全体で見ても異常だった」
8月28日に行われた気象庁の「異常気象分析検討会」。会長の中村尚・東京大学教授はこの夏の気温についてこう話した。
とにかく、暑い。「異常」との評価には、誰もが納得するのではないか。検討会によると、7月16日から8月23日の日中の最高気温は、全国915観測地点のうち106地点で観測史上1位を記録。また、6月から8月の日本の平均気温が、これまで最高だった2010年を上回り、1898年以降で最も高くなる見込みも明らかにした。
最近の夏が、昔よりどれほど暑いのか。別のデータもある。
気候変動を研究している東京大学大気海洋研究所准教授の今田由紀子さんは、猛暑で有名な埼玉県熊谷市と鳩山町、群馬県館林市の3地点における「1900~49年」「50~99年」「2000~22年」の、7月と8月の月最高気温を分析した。
その結果、1900~49年ではその3地点で「50年に一度」の猛暑は38度前後だったが、2000年以降だと38度という気温は「3年に一度」よりも頻繁に起きているものだという。
「100年ほど前なら『猛暑』だった気温が、もはや珍しくなくなっていると言えます。ちなみに2000年以降で『50年に一度の猛暑』と言えば、40度前後の暑さです」(今田さん)
室内熱中症が顕在化
異常に高い気温は、私たちの体にも大きな危険をもたらす。7月28日に最高気温35.5度を記録した山形県米沢市で、部活帰りの中学1年の女子生徒が熱中症の疑いで亡くなるなど、熱中症になる人が後を絶たない。
総務省消防庁によると、今年7月に熱中症が原因で救急搬送されたのは全国で3万6549人。これは統計を取り始めた08年以来、2番目に多い数。搬送された初診時に死亡したのは44人だった。
「最も顕在化しているリスクは、高齢者の室内熱中症です」