「カラダの内側」もケアして、美肌を保ちましょう ※写真はイメージです (c)GettyImages

 日頃のお手入れはしっかりしているのに、肌の調子がなかなか良くならない。そんな悩みを抱えている人は、“カラダの内側”のケアにもぜひ注目を! 肌と血(けつ)の密接な関係を知って、イキイキ輝く健やか美肌をめざしましょう。この記事では、日本の漢方のルーツである中国の伝統医学「中医学」をベースとした中医美容の視点から、美肌について分かりやすくご紹介します。

【セルフチェックリスト】気になる項目が3つ以上の人は「血虚」かも? 「血管力」チェック(2枚)

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毛細血管と肌の深い関係

 皮膚は、毛細血管が密集している器官です。毛細血管の主な働きは、血に含まれる栄養や潤い、酸素などをすみずみの細胞に届け、不要になった老廃物を回収すること。こうした働きを微小循環(びしょうじゅんかん)といいますが、微小循環がしっかり働いていれば皮膚にも栄養や潤いが十分に行き届き、新陳代謝も活発になって、健やかな肌が保たれます。

 反対に、微小循環が十分に働いていないと、皮膚の栄養や潤いが不足しがちになり、老廃物も溜まりがちに。その結果、乾燥やしわ、くすみといった肌の不調が起こりやすくなるのです。

「十分な血量」「サラサラ血流」が元気な毛細血管の基本

 毛細血管の働き(微小循環)を支えているのは、体内を巡る「血」です。血の量が十分にあって、血流がスムーズに保たれていれば、微小循環はしっかりと働きます。

 ところが、過労や胃腸機能の低下、偏食などのアンバランスな食事が続く、不規則な食生活などが原因で「血虚(けっきょ:血の不足)」の状態になったり、緊張やストレスから「お血(おけつ:血行不良)」を招いたりすると、血が毛細血管まで十分に巡りません。すると、微小循環の働きも落ちて、肌の不調が起こりやすくなるのです。

 女性は生理や出産があるため、血との関わりも自然と深くなります。気づかぬうちに血虚やお血(おけつ)を招いていることも多いので、肌の不調を感じている人はこの機会にチェックしておきましょう。

「血虚」「お血(おけつ)」ってどんなこと?

「血虚(けっきょ)」は、体に栄養を届ける「血」が不足したり、「血」の質が悪くなったりした状態を指します。生理トラブルとの関わりも深く、めまいや睡眠トラブル、動悸や息切れなどの全身症状とも関連しています。美容面では、細胞への酸素や栄養分の補給が不足しやすいため、肌荒れやしわ、乾燥などの原因となります。

「お血(おけつ)」は、血流が悪くなった状態のこと。お血の特徴として“しこり”“痛み”“黒ずみ”が挙げられますが、筋腫や頭痛、肩こり、アザなどと関連しています。美容面では、血流が悪いため、老廃物が肌にたまった状態になりやすく、しみやくすみ、目の下のクマの原因となり、肌の透明感が失われてしまいます。

肌の断面図 イラストAC
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「血虚」「お血」をセルフチェックしてみましょう