松下 いやいやいや(照)。ありがとうございます。

 菅田くんは、意識してるわけじゃないかもしれないけど、現場の空気の作り方が本当にお上手だなと思いました。これまで何度も主演をやってこられたけど、意識していることはあるんですか?

菅田 うーん、なんでしょうね……。作品さえ良ければ、それでいいんですよね。ただ、テンポやリズムは意識してるかな。人間は集中力に限界があって、緊張に対して緩和がないと力を込めるべき時に入らない。その力が枯渇している現場は何度も経験がありますから。

 映画の「ミステリ」では、原菜乃華ちゃんが苦戦してやり直したシーンがありましたが、やっぱり一番いいところを撮ってあげたいし、一番いいものを作りたいと思ってました。同じように俺が若い頃、当時の主演の方たちがそれとなくフォローしてくれたり、怒ってくれてたり、笑わせてくれてたりしたんだろうな、とは思いますね。

松下 なるほど。座長として、この人みたいになりたいと思う人はいますか?

菅田 一番は、小栗旬さんかな。生田斗真くん、綾野剛くんらも、この人についていけば大丈夫だという空気があります。そんな風になりたいと思うのは、以前「現場の空気は『俳優部』がつくる」ということを教わったことが大きいですね。監督やスタッフがどんだけ頑張っても、結局は俳優陣のムードになりますから。松下さんは主演の時に気をつけてることはありますか。

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