呉:フランスではない?
杏:朝から火を使うことはあまりないと聞きます。ビスケットとミルクと果物とか。週末に手の込んだ料理をするぐらいのイメージ。
呉:よくママ友と話すのは、「ワンオペの日、子どもだけのときは本当にラク」って。スープと一品あればいいし、それも買ってきた唐揚げやコロッケで子どもも喜ぶ。「でも夫がいるともう一品やらないといけないんだよね……」ってみんな言う。
杏:なぜか「作らなきゃ愛情じゃない」みたいな感覚が根付いてしまっている。
呉:言葉にせずとも、それが求められちゃっている日本のこの感じ。しかもやらないとなぜか罪悪感を抱いたりもするんですよね。「ああ野菜が足りない」とか。
杏:フランスなんてお子様ランチを頼むと「素パスタ」とウィンナーだけとかありますよ。
呉:「素パスタ」!?(笑)
杏:そう。チーズが少しかかっているかな?くらい。
呉:日本のお母さんは朝から魚焼いて、卵焼き作って。
杏:それでお弁当も作って……ああ「あるある」を話していたら止まらない(笑)。
(構成/フリーランス記者・中村千晶)
※AERA 2023年9月4日号より抜粋