だが、現役メンバーに対する調査は2人にとどまり、「2人とも性加害はなかった」という。報告書では問題の背景を「同族経営」と分析。代表取締役社長である藤島ジュリー景子氏の辞任と同族経営の弊害の防止を求めた。
会見はネットでも同時中継されたが、特別チームの記者会見を“被害者”はどう見たのか。
元ジャニーズJrで、「ジャニーズ性加害問題当事者の会」代表の平本淳也氏はこう話す。
「これは半世紀以上に渡って多くの被害者を生んでしまった史上最悪の事件なんです。私は35年前に性被害を告発しましたが、『クソ』『殺す』『変態』などと言われ続けてきました。だから、こんな日が来るとは思ってもいませんでした。報告書は、莫大(ばくだい)な数にのぼる性被害の事実をストレートに認定してくれたことは本当によかったと思います。ただ、被害は数百人となっていましたが、私は数千人に上ると見ています。60年という長い期間にわたり、1晩で3~10人が被害に遭うこともあったわけですから。仮に、被害者が週に1人として計算しても、1年で約50人。それが60年だと3000人ですよ」
そして、自らが受けた性被害と重ね合わせたうえで、ジャニーズ事務所の“特異性”をこう語る。
「報告書にもありましたが、きらびやかなステージに立つためには数々のテストを突破していかなければいけない。ジャニー氏が求める特殊な性癖にも応えないといけないわけです。最初は触られる、なめられるという行為がどんどんエスカレートしていく。多くの子は、その過程で苦しくて辞めちゃうんです。だから、1~2年で辞めちゃう子が本当に多い。私は『なめられる』以上の行為を我慢したら、スターの座をつかんでいたかもしれません」