現役メンバーの2人が「性被害はなかった」と言っていることについては、こう疑問を呈す。

「現役2人はジャニーズ事務所が用意したんでしょう。現社長のジュリー氏が『知らなかった』と言っている以上、現役メンバーをあまり表に出すことはできなかったんでしょう。報告書の中ではジュリー氏の辞任を求めていますが、本人自身、もう辞めたいんだと思いますよ。それを特別チームから引導を渡してもらう形にしたかったのではないですか。ジュリー氏は『私は関係ない』という形のまま辞めたいんでしょうが、それはやめてほしい。私はジュリー氏とは同じ歳で、中高生の時から知っているので、あえて言いたい。この事態を受け止めて、きちんと被害者の救済と補償にあたってもらいたい。ジャニー氏から受け継いだ財産を被害者の救済につかってほしいと思っています」

 平本氏と同じく、被害者の数は「数百人」より多いだろうと語るのは、会見にも参加していた東京新聞記者の望月衣塑子氏だ。

「私も被害者にインタビューしましたが、ジャニー氏はメンバーが8人寝ていたら全員襲っていると話していました。そうすると、被害者は数百どころでは止まりません。特別チームは現役メンバー2人へのヒアリング結果として『被害者ではない』と述べていますが、そこについてはすごく弱い調査ではないかと思いました。私が取材した限りでは、ジャニー氏は自分を抑えるタイプではなく、そこまで相手を選んではいない。売れているメンバーには手が出せなくなるけれど、売れる前のジュニア時代にまでさかのぼると、程度の差こそあれ、とてつもない数のメンバーが性加害を受けてきたのではないかと思います」

暮らしとモノ班 for promotion
老後に「友達」って本当に必要? 改めて「人とのつながり」について考えたい時に読む本
次のページ
「メディアの沈黙」の罪深さ