中願寺氏「そこはご相談に応じますといってください」

S氏「なんとかこれはなかったことにしてほしいと」

中願寺氏「それはたぶん今は無理ですわ、収支報告書とか書類はとらないと」

S氏「タレコミ、それはどこからあったのか、教えてもらえないかと」

中願寺氏「それはできないですね。情報元は、うちらは明かせない」

S氏「えっと、道の駅は業者選定がわかる本件工事の施工体系図。これは情報を請求する内容、全部、ピンポイントで出さないといけない?」

中願寺氏「もちろんです」

S氏「情報公開請求に対してわれわれのパターンでいくと、『適切に処理しているので』みたいな回答にはいかない?」

中願寺氏「それはいかない。請求したものが出てこないとそれはうち、たたかないかんので。そういうことはせんように言ってください、逆に」

請求者の名前が漏れている

 中願寺氏は、こう振り返る。

「当時、武田氏は総務大臣で、情報公開制度を所管するトップです。その秘書から請求した翌日に電話が入り、本当に驚きました」

 このS秘書からの電話には、いくつもの問題がある。

 まず、中願寺氏の情報公開請求が、外部である武田氏側に漏れていたことだ。電話でS氏は、

「道の駅は業者選定がわかる本件工事の施工体系図」

 と情報公開請求で記された内容をほぼ正確に述べていることからも、請求そのものが流出していることが疑われる。

 田川市と大任町は地方公務員法で定められる守秘義務違反や、請求者である中願寺氏の名前を漏らしたことで個人情報保護法にも抵触する可能性がある。

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二つの町と武田良太氏の事務所の反応は……