ただ、一時的な浮気であれば、やはり欧米でも叩かれるはずですが、一方的に離婚できるので、日本のように大騒ぎになることはありません。
日本はいろいろな意味で離婚しにくいから不倫が増えるわけですが、じつは日本の夫婦は欧米とは違い、愛情を追求せずに経済生活を最優先するから別れないという面が大きいのです。
つまり日本では、欧米とは真逆のかたちで結婚における経済と親密性の分離が起こっているということなのです。
ともあれ、「結婚しても愛情を感じられない人たち」と「結婚できない人たち」が増えているのですから、日本で不倫が注目されるのは、いわば当然のことかもしれません。
ちなみに、私が代表をしている研究グループの最近の調査では、独身者のうち2.8%は既婚者と交際しています(男性1.2%、女性4.0%〈学術振興会科学研究費の助成による調査による[課題番号16H03699「未婚化社会における『結婚支援活動』の実証研究」]〉)。