西武球場前駅は、試合開始が近づくと大勢のファンでにぎわう(撮影/今 祥雄)
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 日本の私鉄は、東と西で、様々な特徴がある。その一つがプロ野球との関係だ。鉄道会社が球団を保有することで生まれるものとは。AERA 2023年9月4日号より。

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【球団】東:西武×西:阪神

 試合時間が近づくと、西武狭山線と西武山口線の終点・西武球場前駅(埼玉県所沢市)に着いた電車から、続々とファンが降りてきた。

 8月1日夜、福岡ソフトバンクホークスとの一戦。その多くが、埼玉西武ライオンズのユニフォームやグッズに身を包んでいる。改札を出ると、目の前は埼玉西武ライオンズの本拠地「ベルーナドーム」。夏休み中ということもあり、子どもたちや親子連れでにぎわった。

「西武鉄道と埼玉西武ライオンズは、西武線沿線をともに盛り上げていく『パートナー』のような存在です」

 と西武鉄道は言う。

 日本で初めて鉄道が開通したのは1872(明治5)年、明治新政府が新橋-横浜間を走らせた。線路の先駆けは「官」だが「民」も次々と誕生し、鉄道の地図は広がっていった。そんな中、鉄道と野球は密接につながっていく。

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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