まもなく関東大震災から100年

「アナログ時計で方角を知る方法」。投稿はどれも課員が実際に検証を繰り返している=同課のXより

 警察という組織柄、正確な情報を発信することには細心の注意を払っているという。そこで徹底しているのが、「実際に試してみる」ということだ。

 山中警部は言う。

「本やネットで得た情報を鵜呑みにするのではなく、本当に正しい情報なのかを確かめるために、課員はツイートする前に自身や家族で何度も実験や検証を行っています。警察が発信する情報なので、虚偽や不正確な内容は許されません」
 

災害対策課のX(旧ツイッター)は、こちらのQRコードからも

 SNSで情報発信を始めてから、今年で10年を迎えた。

「今年は、関東大震災から100年、また災害対策課でツイッターを開始してから10年という節目の年。より多くの方々に防災意識を高めていただけるよう、今年中にフォロワー100万人を達成することを目標に、課員一同、がんばっています」

 4月1日からは毎日午前8時にツイートするようにして、更なるフォロワー増を目指している。山中警部は「この時間は、電車の移動中だったり、仕事や勉強の前の自分時間だったりすると思うので、私たちのツイートを読むことが毎朝のルーティンになればと考えています」と狙いを話す。

 しかし、フォロワー数を増やすことも重要だが、それだけが目的ではないとも言う。

「フォロワーの方の数が増えていくことはうれしいですし、ありがたいです。しかし、より重要だと考えているのは、大規模な災害が起きたときに私たちが発信する情報が、フォロワーの皆さまの力を借りて多くの方に届くような基盤を平時から作っておくことです」

 もうすぐ関東大震災が起こった9月1日。災害に備えて、日頃から防災意識を高めておきたい。

(AERA dot.編集部・唐澤俊介)
 

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唐澤俊介

唐澤俊介

1994年、群馬県生まれ。慶應義塾大学法学部卒。朝日新聞盛岡総局、「週刊朝日」を経て、「AERAdot.」編集部に。二児の父。仕事に育児にとせわしく過ごしています。政治、経済、IT(AIなど)、スポーツ、芸能など、雑多に取材しています。写真は妻が作ってくれたゴリラストラップ。

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