初主演映画「Gメン」では仲間想いでまっすぐな高校生・門松勝太を演じた岸優太さん。撮影での「新感覚」について語った。AERA 2023年8月28日号より。
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――映画「Gメン」で岸優太が演じるのは、何事にもまっすぐで、空回りすることも多いけど、仲間想いの熱い男、門松勝太だ。そんな勝太が「彼女が欲しい!」という一心で、問題児ばかりが集まるクラスを一致団結させ、恋に友情に、ときにはケンカにと、熱い青春を謳歌していく。
岸優太(以下、岸):原作の漫画を読んだらめちゃくちゃ面白かったのですが、台本の他に、その漫画のイメージをどれくらい自分の中に取り込んで準備をしたほうがいいのか分からなくて、撮影前に瑠東(東一郎)監督に相談させていただいたんです。そしたら、「あまり意識しなくていい」とおっしゃられて。それより、僕から出てくるものをそのまま出していきたいから、「あまり何も準備しないで」というか「むしろ、何もしないで」という感じだったので、撮影現場には手ぶらで行くような感覚でした。
その代わり何度も言われたのが「とにかく、現場での空気を感じてほしい」「温度感を大事に取り組んでほしい」ということでした。
――「生」のライブ感を大切にしつつ、監督が大胆に取り入れたのは、出演者たちのアドリブ合戦だった。特に、勝太が団結させる1年G組の仲間たち、ワケあってG組に転落してきた超絶イケメンの瀬名(竜星涼)、プロレス好きなガチオタクの肝田(矢本悠馬)、見た目も中身も昭和臭漂う梅田(森本慎太郎)、クラスイチの武闘派な薙(りんたろー。)らが揃うと壮絶な戦いが始まる。それがそのまま、劇中に登場する“男子校ノリ”の空気感のリアリティーへと繋がった。
あの笑顔を引き出したい
岸:マジで「こんなに台本を無視していいの?」と。監督も本来カットがかかるところで、なかなかカットをかけずに、僕らを泳がせたりして、そんな現場は初めてだったので衝撃的でした。でも皆さん、ちゃんと自分の役からはみださずに、瞬発力と集中力で、アドリブを繰り出すんです。なかでも矢本くんは質も量もすごいし、待ち時間もめちゃくちゃ笑わせてくれて、本当にプロだなと尊敬しました。