静養先での飾らない会話

ご一家は、那須御用邸の豊かな自然の中で過ごすことを楽しみにしている。
2019年に滞在されたときには、ほほえましい場面があった。そばを飛んでいたトンボが、愛子さまの右手にすっと近づき、とまったのだ。
「あ、好かれている」
雅子さまが声をあげた。陛下はもちろん、愛犬の由莉(ゆり)も興味津々といった様子でトンボをのぞき込んだ。
「何トンボですか?」
そう雅子さまが声をかけると、愛子さまは、
「ミヤマアカネ」
すぐに愛子さまは、
「違う、アキアカネだ」
と訂正した。

ご一家の静養先としては、同じ栃木県の御料牧場がある。
今年の4月にご家族で牧場を散策中、陛下が、
「あそこにちょっと桜がね」
と、おふたりに説明。陛下のそばに雅子さまが顔を寄せたとたん、頭がぶつかるハプニングが起きた。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
謝る陛下に、雅子さまは笑いながら一言。
「ごっつんこ」
静養先でリラックスし、ふとした瞬間にあらわれる飾らない会話から、ご一家の「日常」の様子がうかがえる。