古村さんによると、地震の揺れは「地震規模(M)×震源からの距離×地盤の揺れやすさ」の計算式で割り出す。
当然ながら、地震のMが大きく震源からの距離が近ければ、揺れは大きくなる。しかし、Mも距離も同じであっても、地盤の揺れやすさによって震度は変わる。東京都が3月に公開した「東京被害想定マップ」において、都心南部直下地震で江東区や江戸川区、荒川区などで震度7が想定されるのは地盤が大きく影響しているという。
「江東区や江戸川区は近くを荒川が流れ、東京湾の埋め立て地もあり、地盤の固い地域より2倍近く揺れやすくなっています。こうした大きな河川の周辺や埋め立て地だけでなく、谷底やかつて沼地だった場所など、都市には揺れやすい場所は少なくありません」(古村さん)
(編集部・野村昌二)
※AERA 2023年8月28日号より抜粋