永観堂 京都でも指折りの色づき

「秋はもみじの永観堂」と古くから親しまれ、古今和歌集にも詠まれた永観堂(禅林寺)。雅京都観光タクシーの宮本さんが「京都の中でも、毎年色づきがきれいなことでは屈指のお寺です」と太鼓判を押す通り、秋には約3000本のモミジが至る所で色づき、広大な境内全体が紅葉に包まれる。

永観堂/小高いところにある多宝塔からは、赤く染まる境内と京都の街並みが一望できる。朝9時台なら人も少なめで満喫できる photo PIXTA

 なかでも放生池の周辺は、中央に浮かぶ弁天社に架かる錦雲橋や、周囲の燃え上がるような紅葉が水面に映り込む大人気の撮影スポット。ただし人が集中するのも確かなので、「境内の小さな神社の鳥居と紅葉や、紅葉の隙間から見える池など、自分だけのアングルも探してみて」というのが写真家の稲田さんのアドバイスだ。

瑠璃光院 グラデーション紅葉が見事

 瑠璃光院(光明寺)は、比叡山の麓にある浄土真宗の寺院。通常は非公開だが、春・夏・秋に期間限定で特別公開される。数寄屋造りの書院は、名工・中村外二によって改築されたもの。2階の机や床に庭園の紅葉が映り込む姿は思わず息を呑む絶景だ。佐野藤右衛門一門の作庭と伝わる「瑠璃の庭」は、「瑠璃色に輝く」と表現されるほど美しい苔のじゅうたんが広がる。「苔の緑と紅葉の赤のきれいな対比が写真映えします」と写真家の稲田さん。池の対岸の大きな岩を龍の頭に見立てた池泉庭園「臥龍の庭」など、趣の異なるさまざまな庭園も観賞できる。

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