東福寺/紅葉のピークの時期は、開門前から大勢の人が並んでいる。あえて10時すぎに行くほうがスムーズに拝観できることもある photo 稲田大樹
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 2023年の「秋の京都」には、どれほどの観光客が詰めかけるのか。もはや見当もつかないが、予約するなら「いま」!そして、誰が何と言おうと行っておくべき紅葉の名所がある。毎年、紅葉シーズンを前に発売されるムック「秋の京都」2023年版では、京都を知り尽くした4人のナビゲーターに取材。紅葉シーズンの京都は初めて!という人のために、紅葉名所の「王道」ともいえる4大スポットを掲載している。発売されたばかりのムックから、その4大スポットをまるごと紹介したい。

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 今回、秋の京都のナビデータ―になってくれたのは、「雅京都観光タクシー」ドライバーの宮本智子さん、庭師で「森の案内人」の三浦豊さん、京都の観光ガイド「京都旅屋」を主宰する吉村晋弥さん、京都の四季をテーマに撮影する写真家の稲田大樹さんの4人。まずは、大スケールの紅葉風景で知られる東福寺から。

東福寺 谷一面の紅葉が圧巻!

 禅宗として京都最古・最大級の伽藍を持つ東福寺。一面に燃え盛る紅葉の海を、渓谷・洗玉澗(せんぎょくかん)に架かる通天橋から見下ろすのが定番の観賞ポイントだが、京都旅屋の吉村さんのオススメは「橋から眺めた後、谷に降りて紅葉越しの橋を観賞する」ことだという。「風格ある建築と同時に楽しめるのが、京都の紅葉の奥深いところ。上から見るのとはまた違った雰囲気がいいですよ」。森の案内人の三浦さんによれば、谷の木々は「自然の樹形に見せる剪定技術がすごい」という。長い年月、東福寺の四季を見守り続けてきた木々の、一本一本の姿も思い出に残したい。

 京都随一の紅葉の名所とあって混雑は必至だが、雅京都観光タクシーの宮本さんがオススメするのは11月23日以降。「枝に残るもみじと散りもみじ、天地の紅色のコントラストが素敵です」。ちなみに「紅葉が真っ盛りになった2〜3日後、雨が降ると一気に紅葉が散って綺麗な敷き紅葉が見られます」と写真家の稲田さん。色づき情報と天気予報とにらめっこしながら、「よし、今日だ!」と駆けつけて紅葉狩りに挑戦するのも楽しそうだ。

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自然と歴史が一体となった美