「佳子さまのトーク帽のべールが短めでいらしたのが印象的でした」と指摘する西出さんが注目したのは、その「表情」だ。
「トーク帽のヴェールが短めだったということもあって、目の表情がとてもよく拝見できました。その眼差しと表情から、いい意味での強さというか、凛とした印象を受けました。とても品のある強さで、本当に堂々となさっていた。その内面からあふれ出る感じの美しさでもあり、その美しさが際立っていらっしゃいました。喪服がかわいいと話題になりましたが、それよりも表情に目がいってしまったというのが正直なところです」(西出さん)
西出さんがトーク帽のヴェールから垣間見える表情を絶賛するのには理由がある。
「マナーの観点から申し上げますと、お悔やみの場では気持ちを服装に表すことが大事。今回の国葬においての佳子さまは、その点で気持ちとマッチした装いをなさっていることで、さらに一層、気持ちの表れが表情に出たのだと思います。故人を偲ぶお気持ちはもちろんですが、今回は国葬という特別なことですよね。国葬というものに参列なさったことで、これからの日本とか何か深いところへの思いが全て表れていたのではないかと思います。佳子さまの装い、表情、姿勢など全てがマッチしていたから、あのような際立った輝きを感じました。とても洗練されていらっしゃいましたね。メディアを通じて拝見するお姿の中で、一番洗練されていたと言っても過言ではないくらいでした」(西出さん)
べールとマスクでおおわれ、顔の半分しか見えないが、確かに凜とした表情が印象的に見えた。また、目線をやや下に落としてゆっくりと式壇に向かう佇まいは、堂々としたなかにも際立つ気品があった。成年皇族としてのご公務にますます注目が集まることだろう。
(AERA dot.編集部・太田裕子)