フリーは三浦自身が好きなアニメの音楽を使っているため表現しやすいと思われる反面、とてもハードなプログラムになっている。前述のアイスショーで『進撃の巨人』を滑った後、三浦は「足がつりそうなぐらい疲れていて」と口にした。

「ジャンプは全然本来の構成でやっていないので、それできついということは本来の構成でやったら死んでしまう。死なないように、今から特訓していきます」

 体力の消耗が激しいという『進撃の巨人』だが、スケールの大きい音楽とリンクを目一杯使って滑る三浦のスケーティングが相まって、迫力あるプログラムになっている。滑り込んでいくにつれ、ますます見応えのあるフリーになるだろう。

 三浦は、8月11~12日に京都府宇治市で行われた木下トロフィーと、11~14日に滋賀県大津市で行われたげんさんサマーカップの両大会に出場、そして両方で優勝した。げんさんサマーカップでの三浦は、ショートの前衛的な振付の中でも自分らしさを漂わせ、フリーでは4回転2種類3本を組み込みつつ最後まで勢いよく滑り切っている。

 違う難しさがあるショート・フリーを進化させつつ、今季も“爆速”で成長する三浦の姿が見られそうだ。

(文・沢田聡子)

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