北陸新幹線が開通して早1カ月。
東京―金沢間が約2時間30分で結ばれ、北陸を身近に感じられるようになった人も多いのではないでしょうか。
「大型連休は北陸で」と考えているのなら、富山を旅してみては?
というのも富山県は、海、山、温泉を楽しめるうえ、地産地消で育まれたこの土地ならではの美味しい料理がたくさん!「黒部宇奈月温泉」「富山」「新高岡」駅が停車する富山県の美味しい魅力を紹介します。
※2夜連続で富山の魅力をご紹介。明日は幻想的な蜃気楼についてです。お楽しみに!

全国駅弁人気ランキングでも常に上位にあがる、富山名産の「ます寿司」
全国駅弁人気ランキングでも常に上位にあがる、富山名産の「ます寿司」

なんといっても魚が美味しい! 富山湾は魚介の宝庫

東京から長野を経由して、飯山(長野)上越妙高(新潟)―糸魚川(新潟)―黒部宇奈月温泉(富山)―富山(富山)―新高岡(富山)―金沢(石川)へと至る北陸新幹線。
富山県に入ると日本海と立山連峰を望む、風情たっぷりの鉄道の旅が楽しめます。
晴れた日に見られる立山連峰は、山頂に残る雪と青々した山肌のコントラストが美しく、いつまでも眺めていたい気持ちにさせられるはず。
眼下に広がる富山湾は、ブリやマダイ、ヒラメ、カニ、ホタルイカ、白エビをはじめとする魚介の宝庫で、脂ののった四季折々の美味しい魚をたっぷり堪能できます。

まず食べてほしい富山の味わい

では、富山県に来たらぜひ食べてほしい美味をご紹介しましょう。
◎ます寿司・ぶり寿司
駅弁人気ランキングでも常に上位にあがる「ます寿司」。木製の輪っぱのなかに酢飯をぎゅっと詰め、その上に塩漬けしたマスを放射線状にたっぷり敷き詰めたものです。またマスではなくブリの塩漬けを敷き詰めた「ぶり寿司」も、知る人ぞ知る美味しさ。有名店のものは、朝イチで売れきれてしまうほどの人気です。
◎ 昆布締め(こぶじめ)
富山湾で捕れるマダイやヒラメ、サス、アオリイカなどを、北海道産の大きな昆布で挟んだもの。
昆布が刺身の水分を吸い取ることで、身がぎゅっとしまり、昆布と刺身の旨味も相まって、何ともいえない美味しさに。
昆布にはさむことで日持ちがよくなるため、魚が多く捕れる富山では江戸時代から保存食として親しまれてきました。
富山県のス―パ―や道の駅では必ずといっていいほど売られている昆布じめは、富山を代表する味、ともいえます。
◎かまぼこ
スケソウダラ、タチウオ、ニギスなど季節ごとに捕れる白身魚を加工して作られるかまぼこは、口当たりのいい柔らかな美味しさで、食べると口のなかにフワッと風味が広がります。
特徴は板がないこと。クルクルと渦巻き状になっており、切るとナルトのように模様が現れます。
また富山県には、昔から婚礼など祝いの席にかまぼこを供える風習があります。
その際に登場するのが「細工かまぼこ」といわれるもの。
職人の手からなる鯛や宝船などを色鮮やかに細工したかまぼこは、大きく華やかで、ほかに例を見ないものです。
節句の鯉や雛人形、バレンタインデ―のハ―トなど、様々な細工かまぼこがあるので、お土産にもぴったりです。

富山湾でしかとれない魚も。新鮮な味わいをふんだんに楽しんで

◎ゲンゲ(幻魚)
幻の魚と書いてゲンゲと読む、富山湾でしかとれない珍しい魚です。最大40cmほどで、獣のような顔と薄い体が特徴です。
寒天質でプルプルしており、脂の乗り加減といい、塩気の利いた美味しさといい、酒の肴にぴったり。炙ったり、天ぷらにしたり、吸い物にしても美味です。
◎ホタルイカ
4月〜6月にかけて、産卵のために海面に上がってくるホタルイカ。大群をなしてやってくるのは富山湾だけで、網にかかるとその刺激で青白い光を放ちます。漁は夜中から明け方にかけて。暗い水面にホタルイカが美しく光る様は幻想的で、その水揚げ風景を楽しむ海上観光もあります。
家庭で食べる場合は、酢味噌合えがおすすめ。黒作り(塩辛)、沖漬け(醤油漬け)などは、お土産の定番品です。
◎白エビ
富山湾の海底には、いくつもの深い谷がある複雑な地形をしています。
とくに「あいがめ(藍瓶)」と言われる一段と海が青く濃く見える海底谷には、白エビやズワイガニなどが生息する貴重な場所。
白エビが、富山湾の宝石と言われるのも、それだけ希少なものだから。
ほかのエビにはない濃厚な甘みは、お寿司、かき揚げ、刺身で堪能してください。

季節ごとに食の楽しみがある富山県。
冬には寒ブリやズワイガニなど、最高に美味しものがあるので、何度訪れてもいいかもしれません。魚以外にも氷見うどんや羽二重など、ぜひ試してほしい逸品も盛り沢山。
あなただけの“お気に入りの北陸の味”を見つける旅も一興で。ぜひ足を運んでみては!