Mrs. GREEN APPLEのフロントマン、大森元貴 (Vo/Gt)(撮影/田中聖太郎写真事務所)
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“海底都市の神殿”をモチーフにした豪華なステージセット。アリーナには十字型の花道が設置され、ウォーターキャノンなどの大掛かりな装置を使った演出も。そして観客は“ペンラ”を掲げながら歓声を送る。まるでアイドルのコンサートのようだ。

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 Z世代を中心に幅広い層に圧倒的な支持を得ているバンド、Mrs. GREEN APPLE(以下ミセス)がキャリア初のドーム公演「Mrs. GREEN APPLE DOME LIVE 2023 "Atlantis"」を8月12、13日、埼玉・ベルーナドームで開催した。結成10周年を記念したライブ(2日間で7万人を動員)で彼らは、バンドというスタイルを拡張した、大スケールのエンターテインメントを体現してみせた。

■16歳でバンドを結成、2年後にはメジャーデビューを果たす

 まずはこれまでのキャリアを紹介しておこう。2013年、当時16歳だった大森元貴(ボーカル・ギター)を中心に結成されたミセス。5人編成のバンドとして都内でライブ活動をスタートさせ、2015年にメジャーデビューを果たした(メンバーのほとんどはまだ10代だった)。

 その後、「青と夏」(映画『青夏 きみに恋した30日』の主題歌)、「僕のこと」(第97回全国高等学校サッカー選手権大会応援歌)などのヒット曲を生み出し、2019年にはアリーナツアーを開催。順調にキャリアを重ねてきたが、2020年7月に“フェーズ1完結”を宣言し、活動を休止した。その理由について大森は「Mrs. GREEN APPLEはちゃんといいものを作れているのかどうかということが、僕にとっては最重要」(『ぴあMUSIC COMPLEX(PMC)SPECIAL EDITION 3 Mrs. GREEN APPLE』より)だったと語っている。

Mrs. GREEN APPLEの若井滉斗 (Gt)(撮影/田中聖太郎写真事務所)

 活動再開(“フェーズ2”スタート)は2022年3月。大森、若井滉斗(ギター)、藤澤涼架(キーボード)の3人体制で新たなスタートを切った。同年5月に発表した「ダンスホール」のミュージックビデオでは、メンバー3人が本格的なダンスを披露。活動休止中、楽器に触るのをやめ、ダンスレッスンに時間を費やしていたことはメンバー自身が多くのメディアで語っている。バンドとしてはあり得ない話のようにも思えるが、その選択が現在のミセスのボーダーレスなエンタメ性につながっていることはまちがいない。

Mrs. GREEN APPLEの藤澤涼架 (Key)(撮影/田中聖太郎写真事務所)
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森朋之

森朋之

森朋之(もり・ともゆき)/音楽ライター。1990年代の終わりからライターとして活動をはじめ、延べ5000組以上のアーティストのインタビューを担当。ロックバンド、シンガーソングライターからアニソンまで、日本のポピュラーミュージック全般が守備範囲。主な寄稿先に、音楽ナタリー、リアルサウンド、オリコンなど。

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初のドーム公演の内容は