■写真も残す基準設けて整理を
「片付けながら、いる・いらないを考えていると時間がかかるので、まずは何も考えずに仕分けできるようにカテゴリー別に分ける。その上で、いる・いらないを考えると良いでしょう。またゴミ出しに関しては、地域ごとにルールが異なるため、事前に確認した上で仕分けるとスムーズです」(同)
さらに(4)写真の扱いを決めておく。遺品整理で困ることが多いのが、写真の存在。親が元気なうちに写真をどうしたらいいか聞ければ良いが、そうでない場合は割り切る姿勢も時に必要だ。
「日本の家庭には、紙焼きの写真がだいたい5千枚から1万枚あると言われています。この全てを残すとキリがないので、例えば自分と自分の知っている人の写真だけ残したり、おめでたい写真だけ残すなど、何かしら基準を設けて、いる・いらないを判断するのをお勧めします。今はスマホで写真をスキャンしてデジタル化して保存できる無料アプリもあれば、写真のデジタル化サービスもあるので、うまく活用するのも手です」(同)
最後に(5)マスクを外して休憩が取れる場所を確保する。遺品の整理は、埃が出るのでマスクは必須。ただし長時間マスクをつけて片付けの作業を続けるのは、体力を消耗しがちだ。そのため、家の中でマスクを外して新鮮な空気を吸える場所を確保しておくとよい。
「遺品に限らず、家財整理というのは、言ってみれば引っ越しの荷造りを延々としているようなもので、かなり体力を要します。50代を超えると体力的にきつくなるので、休憩できるスペースの確保は欠かせません」(同)
何とか自分たちの手で片付けを完結させたいと思っても、冒頭のサトコさんのように、いざ着手してみると「業者の手を借りないと難しい」となるケースも多々ある。実際に上野さんの元には、「自分たちだけで片付けるのは到底無理ということがわかったので、片付けをお願いします」と、片付け中の“現場”から電話がかかってくることもしばしばあるという。