※写真はイメージです(Getty Images)
この記事の写真をすべて見る

 大人になって新たなことに挑戦するのはハードルが高い。年を取れば取るほど、なおさらだ。しかし、人生を豊かにするには遊びにしろ、勉強にしろ、意欲的に取り組むことが大切だと心理学者の榎本博明氏は説く。新著『60歳からめきめき元気になる人 「退職不安」を吹き飛ばす秘訣』(朝日新書)から一部抜粋、再編集し、解説する。

【表】趣味を見つけるのに最適な本はこちら

*  *  *

とりあえず気になることを試してみる

 何か気になるものがあっても、「これはほんとうに自分に向いてるだろうか?」「自分にもうまくできるだろうか?」「続くだろうか?」などと考えて、結局、躊躇してしまうといったことになりがちだ。

 だが、職選びではなく趣味や遊びなのだから、そんなに慎重になる必要はないだろう。やってみて自分に向いていないと思えばやめればいい。べつに続かないとダメというわけではない。興味のままに動けばいい。

 スポーツ観戦が好きで、よく休日にテレビで見ていたなら、もう翌週のために体力を温存する必要はないのだから、実際に競技場に出かけて生観戦を楽しむのもよいだろう。

 演劇が好きで、深夜によくテレビで見ていたなら、やはり実際に劇場に出かけて生で楽しんでみるのもよいだろう。

 落語にしても、歌舞伎や能・狂言など伝統芸能にしても、コンサートにしても、よくテレビで見て楽しんでいた人に限らず、ちょっとでも気になるのであれば、どんなものか試してみようという感じで出かけてみればいい。

 日本の歴史についてのテレビ番組を見て、特定の戦国武将やどこかの時代に興味が湧いたら、時間はたっぷりあるのだから、図書館に通って調べてみればいい。

 美術についてのテレビ番組を楽しみに見ており、何かで絵画の実践講座のパンフレットが気になったら、絵なんて学校の授業でしか描いてないけれど大丈夫かなとか、続くかなとか考えずに、とりあえず興味のままに飛びつけばいい。

次のページ
今からでも学ぶ楽しみを存分に味わおう