日本列島は夏本番を迎え、酷暑が続いている。暑くなればビールやエアコンなどの売れ行きは好調となる。その他にも猛暑の恩恵を受ける業界や企業はたくさんありそうだ。株式市場で注目される猛暑関連銘柄を専門家に聞いた。
日経平均株価は今春から上昇して、バブル後の高値を更新してきた。「相場はずいぶん上がった」という株式アナリストの鈴木一之さんは、これからは「調整に入るのでは」と話す。
鈴木さんは今後、日経平均が3万円近くまで下がる可能性があるものの、「3万円は割らない」とみる。調整する局面は秋ぐらいまで続く可能性があり、「11月くらいに動き出すのではないか」と予想する。相場全体が調整局面を迎えても、内需関連で業績も底堅いとみられる猛暑関連銘柄を紹介してもらった。
猛暑になると、誰しも外出は気が引ける。しかし、食事はしないといけない。家で食事を準備するにも、火を使った調理時間はできるだけ短くしたい。生鮮品などの食材の買い出しにも出かけたくない……。そんな悩みを解決してくれるのが、買い置きができて調理に便利な冷凍食品だ。最近は冷凍食品の種類も豊富だ。レンジで温めるだけで、おいしく食べることができる冷凍食品も多い。
前出の鈴木さんは、冷凍食品のニチレイを推す。同社のホームページによると、冷凍食品の売上高や、冷蔵設備能力はいずれも国内首位だという。主力の加工食品事業では、調理冷凍食品の売り上げが全体の約7割を占める。今期業績は、価格改定の効果が継続していくとみられている。
鈴木さんが「冷凍食品のチャンピオン」として勧めるのが味の素。冷凍食品で、餃子の販売が国内と海外でほぼ半々となった。北米は家庭用を中心に順調な拡大を続けているほか、欧州では業務用から参入して、家庭用も拡大している。
水産会社の冷凍食品で代表的なのがニッスイ。冷凍を含めた食品事業では、値上げが浸透してくるとみられている。働く女性が増えているほか、高齢化や単身世帯の増加で、冷凍食品の需要は底堅く推移しそうだ。