「人間は基本的に、ダメな生き物です」というのは、最近『9割の「努力」をやめ、真に必要な一点に集中する勉強の戦略』(朝日新聞出版)を上梓した岡健作さん。努力と気合だけで、毎日勉強するのは、多くの人にとっても難しいことです。ではどうするか、岡さんは同書の中で、「そういう人のための『仕組み』があると説きます。その仕組みがどんなものか、同書から一部抜粋、再編集して紹介します。
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ダメな人間でも「仕組み」でカバーできる
人間は基本的に、ダメな生き物です。
スイッチが入って、とつぜん人が変わったようにがんばれる。ごくまれにはあるかもしれませんが、そんなことはほとんど起こりません。
夏休みの宿題をコツコツやれずにためてしまっていた人は、何もしなければ大人になってもそのままです。がんばれないタイプの人は、基本的にはずっとがんばれません。
でも、世の中は普通に回っています。それは彼らのほとんどが、最終的にはなんとかやるべきことをやれているから。
というのも、そういう人のために「仕組み」があるからです。
宿題をためてしまったタイプの人でも、夏休みが明けた後に学校に行けば、普通に勉強できていました。それは、学校という「仕組み」があるからです。
授業の時間が決まっていて、周りもみんな勉強している。学校にはそんな「勉強せざるを得ない環境」が整っています。つまり、自動的に勉強できているわけです。
社会人でもそうです。サボり癖がある人も、会社にいけば自動的に仕事をします。
最近はリモートワークも増えてきていて、「出社」をしない人でも、成果物の期限が設定されていたり、進捗のチェックがあったりするので、自動的に仕事をするようになります。
勉強をするためには、「線路」が必要だ
また人間は、思っているよりもずっと「感覚的」に動いています。
一説によると、人間の脳は1日に数万~数十万回の意思決定をすると言われています。