「大谷の実力を認め、(誰もが)優勝請負人として期待している。球場全体に加入を待ち望むコールが起きるなど、野球では見たことない。MVPコールなど、自チーム選手への応援はあるが他球団選手へは異例のこと」(在京テレビ局スポーツ担当)

 投打の二刀流で試合に出場し続けているだけでも凄いが、両方で結果を残し続けている。また投手降板後も野手として試合に出続けられる「大谷ルール」が出来上がるなど、歴史と伝統を誇るMLBを大きく変えている。

「(大谷は)現代における野球界の改革者であり人格者としても知られるている。米国人が最も好むスーパースター像であり、国籍を超えて多くの人気を集めている。名前入りユニホームをはじめ、個人グッズ売り上げがリーグトップクラスというのもすごいこと」(スポーツマーケティング会社関係者)

「かつては野茂英雄やイチローも海を渡ったパイオニアとして大きな話題となった。しかし職人気質な雰囲気もあり、大谷ほどは米国ファンには受け入れられなかった。プレー以外のフレンドリーな姿勢も大谷人気の理由の1つだろう」(在米スポーツライター)

 1995年に渡米した野茂は、前年に選手会のストライキでファン離れが進んだMLBを救った。2001年からプレーしたイチローは多くの記録を塗り替えた安打製造機として名を残した。当時の衝撃は凄まじかったが、大谷はそれ以上と言われている。

「気さくな好青年が160キロの球を投げ、信じられない本塁打を放つ。まさにスーパーヒーロー、映画の中から出てきたような選手。バスケやアメフト、Xスポーツなど、動きがあって派手に見える競技が若者人気は高いが、そういう層にも大谷は絶大な支持を集めている」(スポーツマーケティング会社関係者)

 北米では野球、バスケットボール、アメリカンフットボール、アイスホッケーを4大スポーツと呼ぶ。近年はXスポーツやサッカーも人気を博しているが、その中で野球人気は下がり続けている。攻守の切り替えがあるなどテンポが遅いため、「お年寄りが好きな競技」と呼ぶ人もいるほど。若者を中心に“野球離れ”の傾向もあったが、大谷の出現がそういう流れにクサビを打つ形になった。

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スポーツの枠を超えたスーパースターに