その6カ月の経験で何を感じたかというと、「子どもが大事な時期にスマホにはまったら、おしまい。怖い!」ということです。ゲームだけではなく、SNSにはまっている子どもも少なくないようです。「メッセージが来たら、すぐに返事をしなくては……」と思っていると、勉強に集中できません。

 長男が大学受験をした2010年ころには今ほどスマホは普及していませんでした。長男、次男はガラケーで、三男が高1、長女が中1のときにスマホを買いました。わが家では、息子3人が灘に通っていたときには、テスト期間中は帰宅したら携帯を預かり、袋に入れていました。

 スマホや携帯の料金を定額にしているご家庭がほとんどだと思いますが、必ずどのくらい使っているか、毎月、明細書を確認してください。私も毎月チェックして、使用量が増えている子どもにはそのことを伝えました。

 息子の同級生のお母さんが息子さんの使用状況をチェックしたら、中3のときからネットサーフィン、ゲームにはまり始め、月に3万円、30万円と増えていき、高1の終わりにはついに300万円になったそうです。そのとき、「あなたの人生をこれがつぶしてしまうのよ!」と言って、ガラケーを息子の目の前でバキッと折ったそうです。息子さん自身もやめたいのにやめられない依存症になっていたのだと思います。その子はお母さんの本気度を見て、ネット、ゲームをやめることができ、現役で東大の理Iに合格することができました。

 あとで聞くと、ガラケーをお母さんに折られた友達は最低でも5人はいたそうです。また、ほかの友達はスマホを使いすぎて、お母さんが目の前でスマホに五寸釘を打ち込んだそうです。スマホはガラケーのように折れませんから。「スマホに五寸釘」は衝撃だったと思います。

 でも、お母さんが中学受験を一生懸命サポートしてくれたことをよくわかっているから、お母さんのその行動を見たとき、「こんなにも僕のことを思ってくれているんだ」と感じたんですね。それからはスマホの使いすぎはなくなったそうです。

 スマホやゲームに対しては、子どもが依存症にならないように、「五寸釘を打ち込む」くらいの態度で臨む。ただし、愛情を持って、です。

 子どもも内心、やめたいと思っているのです。だけどやめられない。そこで愛情を持って厳しく導いてあげるのが親の役目です。幼いころから子どもに寄り添い、愛情を持って勉強のサポートをしていると、どんな厳しい態度で臨んでも、お母さんの強い思いは子どもに伝わるのです。

 依存症になると、二度と戻ってこない10代の貴重な時間をとられてしまいます。愛情を持って、断固とした態度を見せてください。

>>次回を読む「佐藤ママが編みだした”キッチンタイマーの秘策” 子どもが集中するには?

『三男一女 東大理III合格! 佐藤ママの子育てバイブル 学びの黄金ルール42』(佐藤亮子著、朝日新聞出版)
■■目次■■
【はじめに】
【佐藤家のプロフィル】
【3男1女佐藤家4きょうだいのあゆみ】
【第一章】親として自信がつく!まず、知っておきたい8つのこと
 (1)18歳まではどこまでも子どもに手をかけて
 (2)親のサポートが子どもの人生を左右する
 (3)子どもは怠け者で、勉強は嫌いだし、ウソもつく。そこからスタート
 (4)学びには旬がある。今、やらせないと後悔します
 (5)テストで1点を上げる努力を甘く見ない。成功体験が自己肯定感につながる
 (6)とりあえずやってみる。教育は「いいとこどり」の精神でOKです
 (7)子どもの「わかった!」は親への最高のプレゼント
 (8)自分の人生はオリジナル。周りは気にしないで
【第二章】早期教育の鉄則 就学前は「よみ、かき、そろばん」を徹底的に
 (9)IT時代も30年前の子育てがちょうどいい
 (10)目指してみよう! 能力を開花させる魔法の数字「1万」
 (11)豊かな感性を育てる絵本の読み聞かせ
 (12)読み聞かせで読解力が向上
 [絵本リスト]佐藤ママおススメの絵本100冊
 (13)生きた教養は童謡から。お父さんの出番です
 (14)童謡は学校の勉強にも役に立つ
 [童謡リスト]佐藤ママおススメの童謡100曲
 (15)英語より、ひらがな、九九、一桁のたし算。就学前にやって損はない
【第三章】成績がぐんぐん伸びる!小中学生の宿題・テストのサポート術
 (16)子どものやる気を引き出すのは、親のあなたです!
 (17)「しっかりして」「がんばって」は禁句。子どもには負担です
 (18)テスト勉強や宿題を子どもに丸投げしない。親の関わり方を見直そう
 (19)急がば回れ。テストの点数が悪かったら、勇気を持って戻る
 (20)こうすれば意欲がわく。子どもの達成感を演出する3つのコツ
 (21)寝る時間は厳守。ノルマが残っていても寝る
 (22)勉強中の子どもは孤独。親がそばにいてあげる
 (23)塾で先取りはOK。でも学校もおろそかにしない
 (24)勉強だけでは効率が悪い。成長期は運動もさせて
 (25)新聞は子どもにとって社会の窓。活用しないともったいない
 (26)スマホには断固とした態度を!子どもは「やめたい」と思っている
【第四章】ママ友との関係、祖父母の口出し…困ったときの対処法
 (27)子どもに信頼されたい… 接し方次第で関係は変わります
 (28)反抗期は成長に不可欠?…なくていい! 親の暴言が反抗期の種に
 (29)子どもに勉強を教えられない…お母さんは堂々としていていいのです!
 (30)夫と教育について意見が違う!…父親は口を出すよりお茶を出して
 (31)祖父母が口を出す… 一役渡して、蚊帳の外には置かない
 (32)受験の結果が心配…シンプルな激励の言葉を用意しておく
 (33)志望中学・高校に落ちたときには…とにかく忘れて! 人生はノーサイド
 (34)ママ友は必要?… 悩むくらいなら腹をくくる
【第五章】今から知っておけば安心!合格へ導く大学受験の法則
 (35)難しく考えないで。大学受験はシンプルです
 (36)「計画は分単位で立てる! 後悔しないための時間管理術
 (37)受験生の持ち時間は平等。計画はゴールから逆算がカギ
 (38)受験に完璧は禁句。暗記はすきま時間でOK
 (39)暗記と苦手な部分は除夜の鐘までに終わらせること
 (40)最後の2週間の過ごし方。本番の時間帯に身体を慣らす
 (41)男の子と競う受験。女の子は早め早めが正解です
 (42)受験生でも女の子の美容は大事!「きれいにしたい」は否定しない
【第六章】家族の結論! 0歳から18歳まで「ママの言う通りにしてよかった!」
 [長男から]調べる習慣は母の姿を見ていたから
 [次男から]母のおかげできれいな歯。大切にしたい
 [三男から]性格に合わせて勉強法を工夫してくれた
 [長女から]親元を離れて実感。幸せな18年間だった
 [夫から]精神的な強さも尊敬。私の人生も豊かになった子育て
 [後日談]「恋愛は無駄」でママが炎上!? 火消しに走った次男のフェイスブックコメント全文
【対談】
 佐藤ママ×佐藤パパの本音対談!「アンチがいてもいい。家族が一番の味方」
【おわりに】

※『三男一女 東大理III合格! 佐藤ママの子育てバイブル 学びの黄金ルール42』(佐藤亮子著、朝日新聞出版)は好評発売中。子どものやる気がアップする接し方など、親が今日から取り組めるノウハウが満載です

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