(写真はイメージ/GettyImages)
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 投資信託はプロによる金融商品の詰め合わせ。少額から分散投資ができることから、投資初心者が始めやすい金融商品といえる。これから投資を始めたいという人のために、子どもの環境・経済教育研究室代表・泉美智子さん著、ファイナンシャルプランナー奥村彰太郎さん監修の『今さら聞けない投資の超基本』(朝日新聞出版刊)から、投資信託の基礎知識を紹介したい。

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 株式や債券などの金融商品を組み合わせて商品にしたものが「投資信託」です。「ファンドマネージャー」という投資のプロが、多くの投資家から集めたお金をまとめて投資・運用します。

■投資信託の仕組みは?

イラスト/KOH BODY(RAYING STUDIO)
イラスト/KOH BODY(RAYING STUDIO)

 投資信託は、販売、運用、資産の管理をそれぞれ異なる専門機関が受け持っています。投資家は、販売会社を通じて商品を購入。運用会社ではその資金をもとに、運用のプロであるファンドマネージャーが利益を目指して運用し、その資産の管理を信託銀行が行っています。

 1万円程度の少額から分散投資ができ、運用の経験がない初心者にも始めやすい投資方法とされています。

 販売するのは証券会社・銀行・郵便局・保険会社など。運用するのは、投資信託会社(ファンドマネージャー)で、彼らは資産運用の専門機関です。

 経済や社会の状況に応じて商品を企画し、販売会社を通じて多くの投資家から資金を集めます。また、利益を上げるべく、資金を管理している受託会社に運用指図をします。

 預かった資産を管理するのが受託会社です。運用会社からの指図に従って株式や債券を売買し、お金の動きを記録するのが役目です。不正が起きないよう、投資家から預かったお金は受託会社の資産とは別に管理されるよう義務づけられています。

 そして、投資信託では「信託期間」といって、商品を運用できる期間があらかじめ決まっています。投資信託を始めてから一定期間が過ぎると信託期間が終わり、資産が償還されます。

 償還とは投資家が保有している口数に応じて純資産を分配することです。3年、5年、10年など設定されている期間は商品によってさまざまで、「無期限」とされているものもあります。

 ただし運用期間が決まっているものであっても、運用実績によっては償還日を繰り上げたり、反対に延長する場合もあります。

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投資実績に応じて投資家に還元されるのが分配金