来日1年目の巨人・ロペスと阪神・ノイジー(写真提供・読売ジャイアンツ/阪神タイガース)
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 まもなく前半戦が終了する今年のプロ野球。シーズン前の補強で期待が大きかったのはやはり新外国人ではないだろうか。どの球団も弱点を補う戦力として新たな“助っ人”を獲得しているが、果たして期待通りの結果を出している選手はどの程度いるのだろうか。(文中の成績は全て7月12日終了時点)

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 まず投手でさすがの成績を残しているのが2020年のMLBサイ・ヤング賞投手であるバウアー(DeNA)だ。5月9日の巨人戦、16日の広島戦と2試合続けて7失点と打ち込まれ、日本の野球に対する適応力を疑問視する声もあったが、それ以降は見事に修正。6月以降は5連勝(勝敗のつかない試合を挟む)を記録し、ここまで6勝2敗としっかり貯金を作っている。走者を背負うケースは比較的多く、被本塁打も少なくないものの、勝負所でギアを上げた時のボールはメジャーでもトップの成績を残してきただけの威力があり、奪三振率の高さも見事だ。

 また中4日、中5日での登板でもしっかり結果を残せるというのは大きなプラスである。優勝を狙うチームにとって大きな戦力となっていることは間違いない。同じ先発投手ではグリフィン(巨人)とピーターズ(ヤクルト)の2人も貯金こそ作れていないものの、安定した投球を続けており及第点を与えることはできそうだ。

 先発に比べるとあまり目立たないものの、リリーフで大きな戦力となっているのがペルドモ(ロッテ)とウェンデルケン(DeNA)の2人だ。ペルドモはここまでチームトップタイとなる34試合に登板し、防御率1.67、パ・リーグでダントツとなる28ホールドをマーク。移籍したオスナ(ソフトバンク)の穴を埋める存在となっている。奪三振はそれほど多くないが、常にボールを動かして芯を外し、制球力が安定しているのも持ち味だ。

 ウェンデルケンもここまでチーム2位の13ホールドをマークし、防御率も1.53と見事な成績を残している。ペルドモに比べると少し制球に不安があるが、走者を出しても落ち着いて三振を奪えるのは魅力だ。ともに後半戦も勝ちパターンの一角として期待したい。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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