この話には続きがある。夫婦でその後に意見をぶつけ合ったことで、2人目が誕生した際も夫が育休を取得して、今度は積極的にサポートしてくれたという。 

「1人目の子供が誕生して夫が育休を取得した時は、何をしていいかわからなかったと思うので、私がキツイ言い方をしてしまったのは反省しました。普段していない家事をやってくれるだけでもありがたいと思うようになって感謝の言葉を伝えるようにしたら、子供の寝かしつけやおむつ替え、洗濯や部屋の掃除をしてくれて、食事も時々作ってくれるようになった。上の子供の面倒も見てくれて助かりましたね。男性は育休で子供への接し方を含めて不慣れな部分が多い。夫ができることをこちらが考えて、具体的に役割分担を決めることが大事だなと感じました」 

 育休を取得した男性が子育て、家事をスムーズにサポートするケースも当然ある。だが、そうでない場合は夫婦それぞれで不満を抱えて関係がギクシャクし、夫の育休がプラスに働かない恐れが出てくる。 

 3人の子供がいる新聞記者の男性(43)は、2人目の子供が誕生した時に育休を取得。この期間に学ぶことが多かったという。 

「子育ては思うようにいかないことのほうが多い。正直、仕事よりはるかに大変だと感じました。赤ん坊は夜中でも泣くし、泣いている理由もわからない。自分が思うようにいかないことの連続です。途方に暮れている時、妻が抱っこしたり食事を与えたりして子供が泣きやんだ姿を見てすごいなと。共働きですが、仕事をしながら子育ても家事も完璧にすることは不可能に近い。妻の大変さがわかったので、夕食が冷凍食品でまったく問題ないし、疲れていたらそのまま寝て掃除を後回しにしてもいい。これは自分が育休を取得して家族で過ごしたから気づけたと思います」 

 そしてこう続ける。 

「仕事だけの毎日だったら、子育ての苦労を理解できなかった。昔からの格言ですが、母は偉大ですよ。世の中のお父さんは育休を取得して、パートナーを支えてあげてほしいです。最初はできないことが多いかもしれないですけど、やり続ければ徐々にできるようになる。立派な社会勉強ですよ」

 男性が産後パパ育休や通常の育休を取得し、子育てに積極的に携わる。このライフスタイルが定着する時代が、一日も早く来ることを願うばかりだ。 

(今川秀悟)

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