女性に不足しがちな栄養素がとれ不調を改善する献立で、更年期を健やかに過ごしたい(撮影/吉田篤史)
女性に不足しがちな栄養素がとれ不調を改善する献立で、更年期を健やかに過ごしたい(撮影/吉田篤史)
この記事の写真をすべて見る

 更年期を不安に思う人は少なくないだろう。女性の場合、50歳前後の閉経を挟み、10年ほど続く。女性ホルモンが減少していく過程で、月経不順が起こり、ほてりやめまいをはじめ、うつなどの心の症状、高血圧、肌の乾燥、記憶力の低下まで、実にさまざまな体調の変化が表れる。

【画像】何をどのぐらい摂取する?エネルギー計算式も

 だが、医学博士の廣田孝子さんが監修し、料理家の上島亜紀さんが料理を担当した『女性に不足しがちな栄養がしっかりとれる 最強の献立レシピBOOK』によれば、食材や食べ方を工夫することで、更年期の不調を改善することができるという。本では、「不調別」のおすすめ食材や食べ方に加え、大豆製品、魚介、肉など113に及ぶレシピも紹介している。

 この記事では、『最強の献立レシピBOOK』から、更年期の不調を改善するために摂取するべき栄養素について解説したい。

 更年期に差し掛かった女性が健康に生きていくためには、どんな栄養素を1日にどれぐらい摂取すればよいのか。指標となるのが、厚生労働省がその基準値をまとめ、5年ごとに改訂を行っている「日本人の食事摂取基準」だ。誰もがより長く元気に活躍できることを目指し、高齢者のフレイル予防や、若いうちからの生活習慣病予防に重点を置いて科学的根拠に基づいた数値が示されている。

 女性が1日に摂取すべきエネルギー量や栄養素を年齢ごとに示したものが以下の表だ。

更年期以降の女性の主な栄養素の食事摂取基準。自分の年齢なら何をどの程度摂取すればいいのか、ぜひ参考に
更年期以降の女性の主な栄養素の食事摂取基準。自分の年齢なら何をどの程度摂取すればいいのか、ぜひ参考に

 女性ホルモンが豊富に分泌されている時期は、少々栄養バランスに問題があっても、女性ホルモンの働きで健康が保たれる。例えば、カルシウムが不足した場合でも、腸からのカルシウム吸収を増加させるなど、女性ホルモンが調整してくれていたからだ。

 こうした女性ホルモンの「サポート」が減少する更年期では、栄養の過不足が顕著に健康に影響してくる。若い頃と同じ食生活をしていると、血圧が少しずつ上昇し、血中コレステロールも増加。体重は変わらないのに、お腹回りに男性のように内臓脂肪がつきやすくなる。

 更年期ではこれまで以上に、カロリー摂取、脂質の過多、ビタミン、ミネラル類の不足に注視していく必要がある。

次のページ
採るべき栄養素は?