キャンドル・ジュン氏。画像の一部を加工しています(撮影/上田耕司)
キャンドル・ジュン氏。画像の一部を加工しています(撮影/上田耕司)

 今回の騒動を見ていると、やっぱりキャンドルさんも鳥羽さんも、広末さんのことがすごく好きなんでしょうね。どっちも自分のところに来てほしいもんだから、小学校でクラスのマドンナに、「かけっこ僕のほうが速いからね」「いや僕絵うまいし」ってアピールするのと似ているというか。そういう意味では、二人とも“純愛”なんだと思います。

――鳥羽氏の発言によって、世論はどう変化したと見ていますか?

 もう、鳥羽さんもキャンドルさんも、どっちもどっちみたいになっているんじゃないですか? ちょっと前までは圧倒的にキャンドルさん擁護派が多かったけど、暴行と不倫疑惑が出てから一気に印象が悪くなった。そしたら今回、鳥羽さんのほうもボロが出て、振り出しに戻るみたいな。双方の“ろくでもなさ”が次々に露呈して、二人でずるずる落ちていく無限ループに陥っています。

 個性豊かな登場人物と人間の業によって、ますます複雑になっていく壮大な物語。私としては、小説を読むように横目で眺めていたいんですけど、ネット上で3人のことを好き勝手たたいている人を見ると、冷めた気持ちになります。

 芸能人のスキャンダルって、欧米でも一つの文化になっているじゃないですか。自分の近所で起きる不倫とは全然ちがう、あくまでゴシップっていうエンタメのジャンル。ご当人たちには申し訳ないが、それを「あんまり不幸にならないといいけど……」ってニヤニヤ見守るのが、ある種の大人の娯楽というか。

 不倫って、状況がそろえば誰にでも起こり得ることで、本来は他人が善悪を判断したり断罪したりできないはずです。出会い頭の事故に遭った本人たちがどう対処して、周りがどう受け止めるのか、そこに人間力が問われますよね。今回の一件も、久々の大物の不倫なんだから、マジになって目くじら立てるのではなく、夏祭りみたいに楽しむ余裕と寛容さのある世の中になれば、もう少しみんな生きやすくなるのにな、と思います。

(聞き手・構成/AERA dot.編集部・大谷百合絵)

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