理想の相手に出会って、恋愛をしたいとは誰もが思うもの。ただし、早稲田大学スポーツ科学学術院教授で精神科医の西多昌規さんは、「現実を超えて理想だけが先走ってしまったり、がむしゃらに出会いを求めると恋愛の成立や継続が難しくなる」という。西多さん監修の『やめてもいいこと86 心の疲れをとる事典』(朝日新聞出版)から、恋愛の成立を遠ざけるNG言動を紹介する。
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自分の理想にピッタリ合ったパートナーと出会い、愛し合えたら、どれほど人生が充実するでしょう。しかし理想通りの完璧な人間などこの世には存在しません。長所があれば短所もある。それが人間というものだからです。現実を超えて理想だけが先走ってしまうと、相手に求める条件だけが高くなり、「そんな人、どこ探したって無理でしょ」ということになりかねないのです。
理想の相手にこだわるタイプは、「相手の魅力」よりも先に「自分に見合う相手かどうか」で他人をジャッジしてしまう人が多い傾向があります。つまり、その時点で相手がきちんと見えていないのですから、恋愛の成立や継続はなかなか難しいと言えます。
真剣にパートナーを探しているのであれば、まずは、自分の求めている理想の相手像を明確にしましょう。これまで漠然と思い描いていた理想像が実は違っていたということもあります。
その方法として、自分の求める「理想」を具体的に紙に書き出し、そのなかで「絶対に譲れない条件」に〇をつけていきます。振り分けることによって、相手に対する理想の条件が明確になっていきます。自分の譲れないポイントを知ることが、理想の相手と出会う第一歩になるでしょう。
この世に完璧な人間など存在しません。まずは自分の理想像をちゃんと客観視してみましょう。
■「出会いを求める」が出会いの数だけを増やすことに
いまは、スマホ一つあれば、SNSに婚活サイト、マッチングアプリと、いつでも・どこでも・誰とでも知り合うことのできる時代です。最近では、新型コロナウイルスの影響でオンラインを使った婚活が主流になるなど、ますます気軽にコミュニケーションをとれるようになりました。