結婚すると共同生活が始まり、パートナーの家族との付き合いも増える。恋愛期間とは違うストレスが生まれるのは自然なことだ。早稲田大学スポーツ科学学術院教授で精神科医の西多昌規さんは、「家事というのは本人が生まれ育った家庭の影響が大きく『やり方』や『許容範囲』にも個人差があるため、共同生活ではそれもストレスの原因になります」と話す。心を楽にするには、「『家事は自分がするもの』『義理の家族と仲良くしなきゃ』などの思い込みをやめる」ことだ、と。西多さん監修の『やめてもいいこと86 心の疲れをとる事典』(朝日新聞出版)から、結婚後の心の疲れの原因になる「悪い思い込み」について紹介したい。
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「一緒に暮らしているのに……」「こっちだって仕事が忙しいのに」。共働きカップルが多数を占めるいま、結婚後はもちろん、同棲中でも悩ましいのが家事分担です。二人でルールを決めても、いつの間にかうやむやになり、一方にしわ寄せがくることもしばしば。
家事というのは本人が生まれ育った家庭の影響が大きく、全員が家事が得意というわけではありません。また、「やり方」や「許容範囲」にも個人差があるため、共同生活ではそれもストレスの原因になります。
パートナーとの平和的な家事分担を望むのなら、家事が苦手な人にまずゴミ出しだけなど「一つ」のことを任せてみましょう。家事の担当を決めることで責任感が生まれ、相手もストレスなくとり組めるはずです。
次第に風呂掃除、食器洗いとお願いする範囲を少しずつ広げていくのもいいでしょう。その際、あらが気になってもそこは我慢! 相手のやる気を認めて、労うことが大切です。
またパートナーが家事をしない原因として、どこまでやってもらっているのかが見えていない場合があります。相手が気づいていない「見えない家事」を見える化し、共有するだけでも相手の意識が変わるかもしれません。