朝起きた瞬間から寝る時まで、1日中スマホを手放せないという人は多い。早稲田大学スポーツ科学学術院教授で精神科医の西多昌規さんは、「SNSの『いいね』の数を増やさないと満足できないなら依存傾向あり」と話す。「スマホから離れるためには、物理的に触る回数を減らす工夫が有効」だそうだ。西多さん監修の『やめてもいいこと86 心の疲れをとる事典』(朝日新聞出版)から、スマホ依存症やSNS疲れをとる方法を紹介する。
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2007年に初代iPhoneが登場し、スマホは瞬く間に世界中を席巻しました。しかし、それまでの電話やメールがメインだった携帯電話とは異なり、優秀なカメラ機能を持ち、パソコン代わりにもなるスマホは手にしたら無意識のうちにいじってしまうなんてことも。スマホ依存は現代病の一つとも言われています。
スマホは連絡ツールだけに、仕事中のみならず休日も手放せないものですが、枕元に置いて寝ることで睡眠障害の原因になったり、画面のブルーライトが視力を低下させたり、24時間繋がっていることが心身の不調を招くこともあります。
そこでスマホとの付き合い方を見直すためには、休日の接触時間を減らすことから始めましょう。
まず自宅では「充電場所」を固定します。このとき「自分が最も長く過ごす場所」以外のところを選ぶのがベストです。例えば、一人暮らしでキッチンと寝室があるならば、キッチンを充電場所にします。
物理的な距離を置くことで、自分からスマホを離すのです。外出時には、鞄の中に入れてしまうのが手軽な方法ですが「ファスナーのついているところ」に収納するのも一つの手。普段、ジャケットやズボンなどのポケットに入れがちな男性には特に効果があるはずです。
■SNSの「いいね」の数を増やさないと満足できないなら依存傾向
自分がアップした写真や文が評価されることは、とても気持ちが満たされるものです。しかしSNSの発達で「いいね」マークとともに数も表されるようになったことで、自分の承認欲求に歯止めがかからなくなってしまったユーザーも少なくありません。