写真はイメージです(PIXTA)
写真はイメージです(PIXTA)

 喧騒から離れ、非日常を味わうことができるソロキャンプが大人気だ。うっとうしい梅雨が明けたらソロキャンプデビューしようと思案している人もいるだろう。だが、実は夏のソロキャンプは、特に初心者にとってハードルが高いのだという。専門家が指摘する“思わぬ危険”とは。

【写真】ソロキャンプのパイオニアといったらこちら


 
「夏場のソロキャンプは危険や面倒に巻き込まれることが多く、特に初めての方や不慣れな方にはあまりおすすめできません。不十分な知識と備えで行ってしまい、散々な思いをした方もいます」
 
 と話すのはソロキャンプの普及を図る「日本単独野営協会」代表の小山(おやま)仁さん。小山さんはソロキャンプでたびたび問題視される、頼まれもしないのに女性に近づいてあれやこれやとアドバイスする「教え魔」や、たき火の後を放置して帰る「たき逃げ」などの迷惑行為に警鐘を鳴らし続けてきた。
 
 夏場のソロキャンプには、いったいどんな危険があるのか。必要な備えや対策と合わせて聞いてみた。
 
▽雨(ゲリラ豪雨や雷雨)
 
 キャンプ地に限らないが、夏場は突然のゲリラ豪雨や雷雨に見舞われることが少なくない。雨水でテント内がびしょびしょになり、悲惨な目にあったキャンパーもいるそう。それもある意味、非日常ではあるが……。
 
「天気予報をあてにせず、雨はいつでも降るものだ、と考えておくことが大切です。特に台風が近づいてきているときは、天気予報で勝手に『安全圏』だと判断せず、絶対にキャンプはやめてください。命にかかわります」と小山さん。
 
 被害を回避するための備えとしては、テントを設営する際に、しゃがんで地面の起伏をよく確認して、くぼんでいて雨水が流れ込んできそうな場所にはテントを張らないようにすること。
 
「とはいえ、出っ張っている部分があると寝心地が悪かったりするので、寝っ転がってみて寝心地を確認しつつテントを張ることが大事です」
 
 雨の中でトイレに行くときの折り畳み傘、テントを設営・撤収する際の雨がっぱやポンチョの持参は必須。

著者プロフィールを見る
國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

國府田英之の記事一覧はこちら
次のページ
ムカデやクモがテント内に