世界遺産のボロブドゥール遺跡を見学し、報道陣に手を振る天皇陛下=6月22日、インドネシア・ジョクジャカルタ郊外
世界遺産のボロブドゥール遺跡を見学し、報道陣に手を振る天皇陛下=6月22日、インドネシア・ジョクジャカルタ郊外

 平成の時代、上皇さまがアジア諸国を訪問された際には、おことばのなかで太平洋戦争について触れることが多かった。インドネシアを訪問した上皇さまは大統領夫妻主催の晩餐会で、インドネシアと日本の関係について、こう述べた。

「日本は、先の誠に不幸な戦争の惨禍を再び繰り返すことのないよう平和国家として生きることを決意し、この新たな決意の上に立って、戦後一貫して東南アジア諸国との新たな友好関係を築くよう努力してきました」

 そして、令和になって天皇陛下の初めての国際親善訪問先となったインドネシア。どのようなおことばになるかが注目されていた。しかし、日本側は準備していたものの、インドネシア側から「親密で打ち解けたものにしたい」との提案があり、ギリギリになって取りやめになったという。

 インドネシア訪問では、若い世代との交流の場面も注目された。

 若いころから、数々のダジャレを披露していることで知られる天皇陛下。ダルマ・プルサダ大学で日本語を学ぶ学生らと交流した際も、日本のアニメ『NARUTO』が好きだと学生が話すと、

「私は徳仁(NARUHITO)です」

 とダジャレを披露。雅子さまも周囲も思わず大笑いする場面があった。

 在留邦人との面会では、アイドルグループ「JKT48」の元メンバーで、同地でタレントとして活躍する仲川遥香さんらと交流した。

 陛下は帰国後の感想のなかで、若い世代との交流についてこう触れた。

「日本語や日本文化など我が国に関心を寄せるインドネシアの学生・生徒さんや、インドネシアで暮らす日本の子ども達や若い人々と交流する機会を通して、両国の友好親善と協力関係における若い世代の可能性を感じました」

■立ち話でコメントする陛下

 先の山下さんは、ジョコ大統領と陛下の交流の様子から、令和流のスタイルが芽吹いてきたと期待を寄せる。天皇陛下は東宮時代から、「時代に即した新しい公務」の形を模索し、新しいスタイルを積極的に見せてきた。

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「皇室もずいぶん変わった」