「蚊博士」こと白井良和さん(写真・本人提供)
「蚊博士」こと白井良和さん(写真・本人提供)

■刺されやすいのはどんな人

 あんな小さな蚊は、どうやって人間を認識し、正確に襲ってくるのか。
白井さんによると、蚊を誘引する3大要因は「温度」「二酸化炭素」「水分」。さらに「足の裏のにおい」「汗のにおい」「顔の皮脂」なども蚊を引き付ける要素になるそうだ。

 どんな人が刺されやすいか、刺されにくいかをめぐっては、さまざまな「うわさ」があるが、その真偽について白井さんに聞いてみた。

▽体温が高い人は刺されやすい

「その通りです。温血動物を吸血する蚊は、その体温に誘引されるので、体温が高いほうが刺されやすいと言えます」と白井さん。しかし、蚊は動物の体温より明らかに高い温度には反応しないという。

 屋外にいるヒトスジシマカが活発に動く気温は25~30度あたり。厳しい暑さは蚊もバテさせるようだ。

▽お酒を飲むと刺されやすくなる

「可能性はあります」と白井さん。

 蚊を誘引する要素のひとつが「二酸化炭素」。人間の体内では、摂取されたアルコールを分解する際に二酸化炭素がつくられ、体外に吐き出される。また、ビールや炭酸飲料そのものや、飲んだ人の呼気にも二酸化炭素がより多く含まれることになるため、蚊をより引き寄せやすくなると考えられる。

▽運動後は刺されやすくなる

 運動のあとは呼吸が荒くなり、二酸化炭素をいつもより多く吐き出している状態だ。白井さんは「さらに汗の水分とにおいも加わるので、刺されやすい状態と言えます」。夏場に遊んだあと、木陰で休んでいるとヒトスジシマカのかっこうの餌食になりそうだ。

▽太っている人は刺されやすい

 白井さん自身と複数の被験者の前腕の体積、体脂肪量と体脂肪率を測定したうえで、誰が蚊に刺されやすいかの実験をしたところ、体脂肪量が多いほうが刺されやすい傾向が見られた。

「体の表面積が大きいほうが蚊にとって認識しやすく、さらに熱や二酸化炭素も認識しやすいからだと推察されます。ですが、どのくらい太っていると刺されやすい、という線引きはできません」

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