▽「人がどん欲なときに恐れ、人が恐れているときにどん欲になれ」

 この言葉は、バフェット氏が2008年のリーマン・ショック直後、米紙への寄稿文で示したものだ。バフェット氏は、株式相場が高騰する局面ではあまり動かない一方で、急落する局面で積極的に買いに出る姿勢が目立つ。実際にリーマン・ショック後は金融大手の米ゴールドマン・サックスなどが発行した優先株などを大量に購入し、のちに大きな利益を上げた。

 こうした点を踏まえると、バフェット氏が次に買いそうな日本株も浮かび上がってくるのではないか。尾藤氏は次のように言う。

「バークシャーの投資規模は大きいため、規模の大きな会社が前提になります。そのうえで業績が良い、株価に割安感がある、増配や自社株買いが期待できる、市場競争力や高いブランド価値、市場支配力がある、持続的に成長が見込めるといった点を基準として考えると、ある程度は絞られてくるでしょう。ブリヂストンや信越化学工業、富士フイルムホールディングス、クボタ、オリックスといった企業などが想定されます」

 もちろん、自分には自分に合った投資法がある。バフェット流の投資術から、コツを探ってみよう。

(AERA dot.編集部・池田正史)

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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