今年は4万人が集まったという=尾藤さん撮影
今年は4万人が集まったという=尾藤さん撮影

▽「自分が理解できないビジネスは絶対に買うな」

 では、成長し続ける会社はどうやって見いだしたらよいか。バフェット氏は、銘柄を選ぶにあたり、自分自身で理解できる事業モデルを持った会社を探すべきだと主張する。実際にバークシャーでも、飲料大手の米コカ・コーラやカード会社の米アメリカン・エキスプレスといった、身近な商品を手がける銘柄に手厚く投資している。

 反対に、相場で人気があったり、株価が値上がりしたりしているといった理由だけで安易に手を出してはいけないと戒める。バフェット氏は「自分の土俵の中でプレーしろ。決して外でやるな」「試合(投資)はスコアボード(株価)に吸い寄せられている選手(投資家)ではなく、フィールド(本業)に集中している選手によって勝つ」などと話したことがある。

▽「雑草はやがて枯れゆき、大輪の花は咲き誇る」

 とはいえ、投資した銘柄すべてがうまくいくとは限らない。そんなときに支えになるのが、この言葉だ。毎年恒例の「株主への手紙」の中で述べた。一つでも長く成長し続ける銘柄(大輪の花)を見つけられさえすれば、株価が値下がりしたり、思い通りに成長できなかったりする銘柄(雑草)によって損失が生じたとしても、帳消しにできるという意味だ。そればかりか、損失をはるかに上回るリターンを上げることも可能だという。

 株主への手紙で例として挙げたのが、前述したコカ・コーラやアメリカン・エキスプレス、米アップルなど。このうちコカ・コーラ株は投資が完了した1994年から現在まで、株価が19倍に値上がりした。さらに同社は増配などを続けていることもあり、バークシャーの投資額に対する配当利回りは当初の5.8%から現在は54.2%まで上がっているという。現在の年間配当額2年ぶんで当初の投資額を賄えてしまう計算だ。

 つまり、すべての投資を「当てる」必要はなく、いくつかの投資がうまくいけばいいという考え方だ。

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急落する局面で積極的に買いに出る