――ご自身にはどんな変化がありましたか。
入学時は、特に環境問題への意識が高かったわけではありません。しかし竹で作られた開放的な校舎、電気はほとんどクリーンエネルギーという学校の徹底した姿勢と、自然破壊やプラスチック問題などの授業を受けるうちに、次第に環境問題に目覚めて取り組むようになりました。帰国後は大学に進学しましたが、「このままでは地球の切迫した状態を救えない」と、今は学校を休学して講演活動をしています。
――印象的だった授業はありますか。
教科書のない体験型の授業が多かったですが……。自分でカリキュラムを組み立てて研究できる、Independent Study という授業はユニークでした。私は妹が化粧品で肌荒れを起こしたことにヒントを得て、環境負荷が少なく敏感肌の人にもやさしい化粧品の開発に取り組みました。それが現在のSHIINA organicというブランドにつながっています。私はビジネスを通じて社会問題を解決する、「社会起業家」という肩書が最近は一番しっくりきます。

――グリーンスクールでの学びが現在の活動につながっているのですね。
「環境活動家」と呼ばれる人が特別な存在ではなく、誰もが地球環境を考えるのが理想だと思うんです。私が学校を中心に講演をする理由は、若い世代に学校教育の一環として環境問題を正しく伝えたいから。日本の若い人たちに環境問題に対して行動を起こす人が少ないのは、正しい情報と知識が不足しているだけ。私の話で環境問題に興味を持つだけでなく、行動に移せるようなワークショップや意見交換の場も大事にしていきたいですね。
(構成/生活・文化編集部 上原千穂)