ヤングケアラーだったことを話す徳井さん
ヤングケアラーだったことを話す徳井さん

――厚生労働省の調査によると、今、子どもの4~6%が大人に代わって家族の世話をしているそうです。家族の問題を知られたくないことから、周りに相談できない子どもたちもたくさんいると思いますが、どうすれば相談できるようになると思いますか?

 たぶん俺、すごい人に壁を作っていると思うのよ、昔から。そういうのを踏み越えて、俺が嫌だって言っても徳井ん家に行こうよみたいになって、「これだめなんじゃないの」とか、「良くないんじゃない」って言ってくれる人がいたら、そうなのかなって思ったかもね。友達が実際に家に来ることは何度かはあったけど、みんな気まずい。あんまり家庭のことに首を突っ込むんじゃないって言われていたのかもね。

 ヤングケアラーの子たちに対して、家庭のことに首を突っ込まれなかったら助けられないだろうね。突っ込んだら突っ込んだで難しいけど、例えば、8人に怒られたとしても、2人の子どもの未来が救えるんだったら、それでもいいのかなって思うけどね。

 それとお笑いの力が大きいと思うけどね。いじめられていた話も、芸人がしゃべると面白いじゃん。だけど、いじめられている人たちには、ちゃんと心に優しく刺さるじゃん。多分、他人からヤングケアラーだよって言われるのって、あんまり本人に通じないと思うんだよね。だから本人の目に入る、お笑い番組だったり、YouTubeだったり、漫画でもいいんだけど、そういうときに自分がヤングケアラーだって自覚するように、うちら大人がばらまき続けるしかないかね。

■自分がそうだと気づいたら声を上げて

――ヤングケアラーの子だと、部活や進学を諦めている人もいると思いますが、どう心の整理をつければいいと思いますか?

 俺がもし家族のためにとか、こういう母親がいるからと思っていたら、たぶん北海道就職していたと思うのよ。だけど俺は家族なんてどうでもいいから自分の夢を追いかけたい、この家族と離れたいと思って、今ここにいるけど。だから本当に夢があったり、かなえたいことがあるんだったら、俺は家族を捨ててもいいと思うけどね。

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「その子の心に入って行った方がいいと思う」