猿之助さん一家の自宅周辺。事件当日、「立入禁止」のテープが張られていた。
猿之助さん一家の自宅周辺。事件当日、「立入禁止」のテープが張られていた。

「猿之助」とは、先祖代々襲名されている名前「名跡」(みょうせき)だ。猿之助さんは2012年に四代目「市川猿之助」を襲名した。名門「澤瀉屋」(おもだかや)を率いる立場だ。当然、その名は“重い”。「猿之助」家の芸風は、「古典的な歌舞伎を革新する進取の気風が持ち味」とされ、実際に猿之助さんはその名に恥じない活躍を見せていた。

 父親の段四郎さんはセリフ回しと荒事系の所作を得意として、敵役や脇役などで活躍を見せる歌舞伎俳優だった。しかし、体調不良が続いており、長い間、舞台に立つことができていなかったとされる。

「一般の人たちからすれば想像はしにくいかもしれませんが、歌舞伎一本で生きてきた人たちにとって名前に傷がつくことは耐え難いことです。今回の報道がきっかけの一つとなり、段四郎さんも猿之助さんも『役者生命が終わった』と感じてしまったのかもしれません」

 真相はどこにあるのか。

(AERAdot.編集部 上田耕司、吉崎洋夫)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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