「帰国後、アメリカにいた頃には想像したことがなかったお仕事のご縁をいただきました」と廣津留さん(撮影/吉松伸太郎)
「帰国後、アメリカにいた頃には想像したことがなかったお仕事のご縁をいただきました」と廣津留さん(撮影/吉松伸太郎)

 私は3年前に、コロナ禍で急遽アメリカから日本に帰国することになりました。当時は日本でのお仕事はゼロ。故郷の大分でゆっくり過ごすのかな……と思っていたら、ご縁があって情報番組のコメンテーターや大学の教員のお仕事をいただいたんです。それまでは自分がこういう仕事をするとは考えたこともなく、初めての挑戦でしたが、すごく楽しくやらせていただいています。これらは全部日本に帰ってこなければご縁がなかった挑戦です。そんな経験もあるから、あまり長期的な計画を立てないようにしています。「この先もしかしたら」ということを考え始めたらきりがないし、面白いきっかけを逃してしまうことにもなりそうで。

 人生は1回きりだと考えると、いろいろなことをやっておくのはいいなと思っています。逆に、流れに身を任せるために貯金をしておくという手もある。いまめちゃくちゃ頑張って働いて、例えば3年間ぐらいは仕事をしなくても何とかなるようにしておいて、その間にどうするかをじっくり考えるというのもアリじゃないかなと思います。前向きな気持ちさえ持っていれば、切り替えのタイミングが来た時にフレッシュな気持ちで対応できるのではないでしょうか。

Q. 廣津留さん自身は、今後結婚や出産などでライフステージが変わった場合、どんなふうに仕事をしていきたいですか?

A. うーん、どんなワークライフバランスをとっていきたいかを答えられればよいのですが、その時になってみないと分からないというのが正直なところですね。例えば「〇〇歳までに結婚する」と決めてしまうと、住む場所を考えて海外にも行きづらくなるなど、フットワーク軽く行動ができなくなってしまうと思うんです。だから、あまり遠い未来のことは決めたくない。ひとつだけ決めているのは、バイオリンは一生続けていくということです。子どもがいても演奏活動を続けている方は周囲にももちろんいますし、音楽はそうした生活の変化に関係なくできることだと思うので。

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人生に予想外のことが起きたときのために