恥ずかしながら、私はこの報道をもって、「タイトル42」と呼ばれる不法移民希望者の流入制限措置が導入されていたことを知りました。日本の報道を見る限り、地震や強盗、殺人事件など日々のニュースに加えて、コロナの感染症上の分類が変わって生活はどう変わるか、といったことなど、コロナに関するニュースが依然として多く報道されているように感じますが、アメリカではそういった報道は私が知る限り無く、移民問題や銃、差別問題や債務上限問題、金利引き上げなど、コロナ以外の問題が大半であり、コロナだけが問題ではないことを日々気づかせてくれているような気がしてなりません。
さて、WHOで緊急事態対応を統括しているマイク・ライアン氏は「コロナの緊急事態は終わったかもしれないが、脅威はまだそこにある。新型コロナウイルスは今後も感染し続ける。これがパンデミックの歴史だ。ほとんどの場合、パンデミックは次のパンデミックが始まった時に本当に終息する。」といいます。次のパンデミックは起きてほしくないと、願うばかりです。
山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。医学博士。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。2022年東京大学大学院医学系研究科修了。ナビタスクリニック(立川)内科医、よしのぶクリニック(鹿児島)非常勤医師、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)