過去に経験したことや体験したことに「かたをつけ」リセットすることを「片付ける」というのだそうです(参考: スッキリ・ラボ 小松易さん)。「限られた時間の中で、出会い・取り入れ・消化し、また新たに出会う」・・・その循環で生きる私たち。両手で荷物を抱えたままでは、春の新しい出会いを受け取れません。これまで溜めて来たモノたちから卒業して、身軽になってみませんか。

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片付けは、本人にしかできない神聖な行為

片付けはダイエットと同様、ある人には驚きの効果をもたらす方法が別の人にはどうにも実行できなかったり、すぐリバウンドしたりします。片付けにはさまざまなアプローチがありますが、すべてに共通するのは
「自分自身がモノと向き合い」
「自分自身が何を捨て何を残すか判断し」
「自分自身が行動をおこす(最重要)」
ということではないでしょうか。
人とモノとの関係は、心に深く影響しその人生を左右する重要な問題なのですね。愛着の強さは、本人にしかわかりません。片付け始めると、ついでに邪魔で迷惑な家族のモノも捨てたくなりますが(しかも人のモノの方が執着がないぶん簡単に捨てられるんですよね)、「任せる」と言われないかぎり手にかけてはいけないようです。 もちろん家族が捨てたいモノに干渉するのもNG! 自分のモノだけに集中して向き合いましょう。適正な量も、「このクローゼットに収まる分だけ」「トランク2つ分」「軽トラック1台分」などと自分で目標設定してみます。

「自分への役目が終わったとき」が、卒業のめやす

モノからの「卒業」は、これまでの一部を「捨てる」作業です。捨てないで身軽になる方法はないのですが、「まだ使えるのにもったいない」「くれた人に悪い」などと、心が痛む人がほとんどなのではないでしょうか。
死蔵されている状態はモノもスペースもいちばん「もったいない」ので、生かすためには使うか手放すかしかありません。挫折した(ような気もする)勉強や昔の趣味の道具などはその典型です。思えば今まで「使える」はずなのに使わなかったのは、そしてすぐ使いたい気持ちにならないのは、今の自分にはふさわしくないからかもしれません。それを気づかせてくれたことをモノに感謝し、思い切って自分との関係を修了させてみるのはいかがでしょう。手放すと気持ちがスッキリして、やりたいことがはっきりしたという人も多いのです。将来違う形で「再会」もあり得ますよね。
自分にとって本当に大切なモノなら、捨てるか迷ったりしないもの。ことにプレゼントは「あげる・もらう」までが使命であり、くださるお気持ちに感謝して受け取った時点ですでに完了しているといいます。たしかに、自分がさしあげてその後にこだわるという人は、あまりいないような気もします。もういいかな?と思うとき、モノ自体の役目は終わっているのですね。
もっともシンプルな「減らし方」の手順をご紹介します。
1.モノを全部出す
2.「必要」「保留」「不要」の3つに分ける
3.確実に捨てる
たとえば引き出しの一段目、机の上、バッグというアイテム、というふうに自分で対象を絞ったら一カ所に全て集めます。「これは今の生活にふさわしいか」「使って幸せか」を基準に、ひとつずつ手に取って直感でパッパッと仕分けしていきましょう。「不要」のおおまかな目安の例です。
・賞味期限・使用期限が過ぎている
・汚れ・傷みがある、古ぼけて貧相に感じる
・2年間いちども身につけなかった
・サイズが合わない
・自分の雰囲気に合わない
・本当は好みでない
・見ると悲しい思い出が浮かぶ
・好きではない人からもらった
・人に見られると恥ずかしく思う
・他の持ち物になじまない
・同じようなものが他にある
・着にくい、使いにくい、保持するのが面倒
このようなモノは、しまいこまれている可能性大。分別してゴミ出ししますが、もしリサイクルやオークション、人にさしあげる場合は「保留」に入れ、有効期限を設定した専用の箱などで保管します。「ひと月以内」「半年以内」などと2段階にしてもOK。もし期限内に処分できなかったら、潔く捨てましょう。長くなるほど「なんとかしなくては」というストレスになってしまうからです。

「新生活の予想図に登場」するモノを残す

たとえば服なら、それをまとった自分が自信を持ってそこでふるまえるかと想像してみます。デザインが古くてくたびれていたり、体型や雰囲気に合っていないため何となく落ち着かない場合は、モノも居心地が悪そう・・・「予想図」の生活を共にしたいモノが、だんだん見えてくるのではないでしょうか。
人の一生は限られています。 残したお気に入りはぜひ普段に使い、生きているうちに愛するモノたちとたくさん触れ合いたいですね。
春からもステキな出会いがありますように!