AERA 2023年5月15日号より
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 コロナ禍での公立校・私立校の対応の差などを要因に、中学受験者数は9年連続で増加している。その一方、大学付属校の受験者数は減少傾向にある。AERA 2023年5月15日号の記事を紹介する。

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 大学付属は一時期の勢いが落ちつき、学校によって増減が分かれた。早慶の付属では唯一、新校舎を建設した早稲田(新宿区)が増加した。難易度が高くなり敬遠された模様だ。MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)は立教の系列校とそのほか一部が増加したものの、ほとんどが減少に転じた。安田教育研究所代表の安田理さんは、理系志向が影響していると話す。

「MARCHは文系の学部が多く、文系のイメージが強い。成績上位者が理系に強い私立や国立に流れたのでは」

 ここ数年勢いのあった日本大学豊山(文京区)は、2678人から2373人に減少したが「志願者は減ったものの、以前と比べてレベルがあがり受験層も変化している」(声の教育社・常務取締役の後藤和浩さん)という。

 ここ数年のトレンドの、女子校から共学化し校名に「国際」を冠した新進校も人気だ。目黒星美学園から改名したサレジアン国際学園世田谷(世田谷区)は、963人と大勢の志願者を集めた。東京女子学園から改名した芝国際(港区)は、新時代の教育を標榜し12階建ての新校舎と相まって注目を集め、4千人以上の志願者を集めた。

 しかし120人の定員に対し30倍以上の志願者が集まったことから混乱が生じ、SNSで炎上。そのいきさつはこうだ。2月1日から5日にかけて行われた入試は2科、4科や算数1科、適性検査型など細かく区分され、50種類以上。各回の募集人数は限られていたものの、事前の説明会では改革後初の入試とあって、大勢の合格者を出すと公言していた。ところが合格者は絞り込まれ各回とも軒並み高倍率に。2月1日午前の国際生「CORE」クラスにいたっては、合格者は0だった。帰国生入試で合格者を取り過ぎたことが原因に挙げられているが、同校の試験を連日受け、他校の受験機会を奪われた受験生もいたという。

 国際系の新進校の受験について、前出の後藤さんは次のようにアドバイスする。

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