大河ドラマ「功名が辻」(2006年)、「セカンドバージン」(10年)、「家売るオンナ」(16年)、「星降る夜に」(23年)など、数多くの人気ドラマの脚本を手がけてきた脚本家の大石静さん。6月22日から、宮藤官九郎さんとの共同作「離婚しようよ」がNetflixで配信されます。さらに、来年の大河ドラマ「光る君へ」の脚本を担当する大石さん。作家の林真理子さんが、まさにいま、執筆中である「光る君へ」の舞台裏に迫りました。
* * *
林:「離婚しようよ」を書きながら大河ドラマも書いてたんですか。
大石:違います。私は一度に一つしかやらないです。連続ドラマは。
林:連ドラってすごく体力いるんでしょう。
大石:体力がいると言うより、過酷ですね。大河は、民放の5クール分あるんですよ。それをぶっ続けでやるの。いま私、来年の大河の第13話を書いてるんですけど、もうすでに死にそうって感じ。最後まで生きてるかどうかわかんないな(笑)。
林:来年の大河は紫式部ですよね。
大石:そうです、『源氏物語』じゃなくて紫式部の生涯を描きます。でも『源氏物語』も、昔、漫画で読んだぐらいの知識しかないからいちおう少しは勉強したんですけど、ほんとに紫式部はすごい芸術家だなと思いますね。林さんの『STORY OF UJI 小説源氏物語』も拝読しました。
林:ありがとうございます。
大石:私は宇治十帖(『源氏物語』54帖のうちの末尾の10帖)がいちばんおもしろいと思うんですよ。
林:私も、自分で言うのもなんですけど、あれはすごくよくできてると思う。
大石:よくできてる。いろんな方の現代語訳をチラチラと読みましたが、林さんのがいちばんおもしろかったです。
林:あの作品はフランスの心理小説みたいにしたんですよ。装丁もすごく美しい本にして。あんまり売れなかったけど(笑)。紫式部役は吉高由里子さんですね。
大石:吉高さん、平安顔でしょ。衣装合わせのときの写真、見せちゃおう。(スマホを見せて)ほら、カワイイでしょう。