宮本「医療機関や福祉施設に加えて、マスクをした方がいいと考えられる職場もあります。コールセンターのように、大勢がずっと話している職場は、マスクをして勤務した方がいいかもしれません」
本田教授も宮本教授も、職場でも学校でも地域でも、マスク着用の有無で、他の人を批判したり、差別したりしないことが重要だと強調する。
本田・宮本「学校では原則としてマスクはしなくていいことになっていますが、中には基礎疾患があって重症化リスクが高く、とくに慎重に感染予防したい児童・生徒もいるかもしれません。マスク着用が求められない職場にも、がん治療中だったり子どもが受験生だったりしてマスクで予防したい人もいるかもしれません。そういった個人の事情をお互いに尊重し合える社会であってほしいです」
────────
Q:新型コロナウイルス感染者と会食しました。「濃厚接触者」になったら、どうすればいい?
A:行政による「濃厚接触者」の特定はなくなり、法律に基づく外出自粛もなくなる。厚労省は、自主的な健康観察や、感染を拡大させない対策を呼びかけている。
感染した可能性がある場合、7日目までは発症する可能性があるので、体調に注意したい。もし感染していたら、症状がなくても他の人にうつす可能性があるため、高齢者など重症化リスクの高い人との接触を控えたり、不織布マスクをしたり、といった配慮が望ましい。
(科学ジャーナリスト・大岩ゆり)
※AERA 2023年5月15日号